広島ひろしま県知事けんちじが主張しゅちょう｢国こくはJRのあり方かたを議論ぎろんすべき｣ 赤字あかじ線区せんくの収支しゅうしだけ公開こうかいしても意味いみがない

インタビューに答こたえる広島ひろしま県けんの湯崎ゆざき知事ちじ（写真しゃしん：広島ひろしま県けん）

芸備線げいびせんの山間さんかん部ぶは末端まったん区間くかんではない

――なぜ芸備線げいびせん全線ぜんせんでの鉄道てつどうとしての存続そんぞくをうったえているのですか。

芸備線げいびせんは、地方ちほう創そう生せいや街まちづくりの点てんからも重要じゅうような交通こうつうネットワークであると考かんがえている。芸備線げいびせんがあることが観光かんこうの目的もくてきとなって来訪らいほう利用りようする方ほうがいることや災害さいがい時じにおける迂回うかいルートの確保かくほ等とうという点てんからも必要ひつような路線ろせんである。

利用りよう者しゃが少すくなかったとしても地域ちいきでの生活せいかつを営いとなむためにそこにある公共こうきょう交通こうつう機関きかんに依存いぞんせざるをえない人ひとは必かならずいる。例たとえば通学つうがくや通勤つうきん、通院つういんで利用りようしている人ひとがおり、鉄道てつどう網もうを維持いじすることは交通こうつう弱者じゃくしゃを支ささえるうえでも重要じゅうようであると考かんがえている。

また、注目ちゅうもくされている芸備線げいびせんの山間さんかん部ぶの区間くかんについては末端まったん区間くかんという意識いしきは持もっていない。広島ひろしま駅えきを起点きてんとするならば終点しゅうてんの備中神代びっちゅうこうじろ駅えきでは伯備線はくびせんに接続せつぞくしており、岡山おかやま県けんや鳥取とっとり・島根しまね県けん側がわに抜ぬけることができることから重要じゅうような鉄道てつどうネットワークの一部いちぶを形成けいせいしていると考かんがえている。鉄道てつどうはいったん廃止はいしされてしまうと簡単かんたんには復活ふっかつできないことから、鉄道てつどうをなくす議論ぎろんについては慎重しんちょうに行おこなうべきだ。

――広島ひろしま県けんでは可部線かべせんが廃はい線せんから復活ふっかつしました。

可部線かべせんの末端まったん区間くかんである可部かべ―三段峡さんだんきょう間あいだ46.2kmが廃止はいしされたのは2003年ねんのことで、1998年ねんに前年ぜんねんの輸送ゆそう密度みつどが492人にんであったことから、JR西日本にしにほんから沿線えんせん自治体じちたいで構成こうせいされる可部線かべせん対策たいさく協議きょうぎ会かいに対たいしてバス転換てんかんの申もうし入いれがあり、その後ご、利用りよう促進そくしん、第だい3セクター化かの検討けんとうを行おこなったが、結果けっかとして廃止はいしされることになった。

廃止はいしされた可部かべ―河戸こうど間あいだ1.3kmの区間くかんについては市街地しがいちの中なかにあることから鉄道てつどうとしての復活ふっかつを望のぞむ声こえが大おおきく2017年ねんに可部かべ―あき亀山かめやま間あいだ1.6kmを復活ふっかつ開業かいぎょうさせることになるが、短みじかい区間くかんであっても復活ふっかつには相当そうとうな労力ろうりょくを要ようした。