6Gは来こないのか？通信つうしん業界ぎょうかいが描えがく｢5Gの誤算ごさん｣の先さき 広ひろがる5Gへの懐疑かいぎ､無線むせんを超こえた新あらたな未来みらいへ

6Gへ移行いこうする未来みらいは本当ほんとうに来くるのか――。通信つうしん業界ぎょうかい関係かんけい者しゃの間あいだで今いま、そんな疑問ぎもんが広ひろがっている。5Gの先さきに描えがく次世代じせだい通信つうしんの姿すがたとは。

10年ねんごとに進化しんかを続つづけてきたモバイル通信つうしん規格きかく。しかし3Gが4G、4Gが5Gへと続つづいたこれまでと同様どうよう、5Gが6Gへと進化しんかするかは懐疑かいぎ的てきな見方みかたも広ひろがっている（画像がぞう：Gettyimages）

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「『とにかく2030年ねんに6Gが来くる』という話はなしは、違ちがうのではないかという潮目しおめは感かんじている」

2022年ねん夏なつから2年ねんにわたり政府せいふの次世代じせだい通信つうしん政策せいさくの陣頭じんとう指揮しきを執とった、総務そうむ省しょうの前まえ・技術ぎじゅつ政策せいさく課長かちょうである川野かわの真しん稔みのる氏し（現げん・デジタル庁ちょう参事官さんじかん）はそう話はなす。

1980年代ねんだい以降いこう、10年ねんごとに進化しんかを続つづけてきたモバイル通信つうしん規格きかく。従来じゅうらいよりも高たかい周波数しゅうはすうを活用かつようすることで、さらなる高速こうそく大だい容量ようりょう通信つうしんを実現じつげんする歴史れきしを歩あゆんできた。しかし5Gでは複数ふくすうの誤算ごさんが重かさなり、「5Gならではの価値かちが本当ほんとうにあるのか」（業界ぎょうかい関係かんけい者しゃ）といった疑念ぎねんを生うんでいる（詳細しょうさいはこちら）。

総務そうむ省しょうでは今後こんご、普及ふきゅう途上とじょうにある5G専用せんようの高速こうそく周波数しゅうはすうの利用りよう拡大かくだいをキャリアに促うながしていく一方いっぽうで、「次つぎの10年ねん」である2030年代ねんだいを見据みすえた通信つうしん戦略せんりゃくもすでに本格ほんかく的てきに動うごき始はじめた。ただ、3Gが4G、4Gが5Gへと続つづいたこれまでと同様どうよう、5Gが6Gへと進化しんかするかは懐疑かいぎ的てきな見方みかたも広ひろがっている。

あえて「6G」と呼よばない理由りゆう

総務そうむ省しょうの情報じょうほう通信つうしん審議しんぎ会かいは6月がつ、「ビヨンド5G（6G）に向むけた情報じょうほう通信つうしん技術ぎじゅつ戦略せんりゃくの在あり方かた」に関かんする最終さいしゅう答申とうしんをまとめた。次世代じせだい通信つうしんについて、総務そうむ省しょうが「6G」ではなく、あえて「ビヨンド5G」という言葉ことばを使つかうのには理由りゆうがある。