東証とうしょうグロースに激震げきしん「446社しゃ」が上場じょうじょう廃止はいしの危機きき、時価じか総額そうがく100億おく円えん未満みまんの企業きぎょうが軒並のきなみ脱落だつらくへ

成長せいちょうを果はたせない企業きぎょうは、「グロース」市場いちばからの退出たいしゅつを余儀よぎなくされる（撮影さつえい：今井いまい康一やすいち）

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成長せいちょうしない「グロース」市場いちばに、とうとう大おおナタが振ふるわれた。

東京とうきょう証券しょうけん取引とりひき所しょは4月がつ2日にち、グロース市場いちばの上場じょうじょう維持いじ基準きじゅんを見直みなおすと発表はっぴょうした。現状げんじょうの基準きじゅんでは、上場じょうじょうから10年ねん経過けいか後ごに時価じか総額そうがくが40億おく円えん以上いじょうなければ上場じょうじょう廃止はいしとなる。それが見直みなおし案あんでは、5年ねん経過けいか後ごの時価じか総額そうがくが100億おく円えん以上いじょうにハネ上はねあがった。新しん基準きじゅんは早はやければ2030年ねんから適用てきようされる見通みとおしだ。

影響えいきょうは甚大じんだいだ。東洋とうよう経済けいざいが調査ちょうさしたところ、時価じか総額そうがくが100億おく円えん未満みまんの企業きぎょうはグロース市場いちばに上場じょうじょうする615社しゃのうち446社しゃにのぼることがわかった。企業きぎょう価値かちが停滞ていたいしたままなら、7割わり以上いじょうの企業きぎょうが姿すがたを消けすことになる。

旧きゅうマザーズと旧きゅうジャスダック市場いちばが中心ちゅうしんとなり、グロース市場いちばが誕生たんじょうしたのは2022年ねん4月がつ。わずか3年ねんで、なぜテコ入てこいれを図はかる事態じたいとなったのか。

小粒こつぶ上場じょうじょうに危機きき感かん

「一番いちばんの問題もんだいは、時価じか総額そうがくが伸のびていないこと」「成長せいちょうに失敗しっぱいした会社かいしゃが残のこっていることが問題もんだい」――。2022年ねん7月がつ、東証とうしょうが主催しゅさいした第だい1回かいの「市場いちば区分くぶんの見直みなおしに関かんするフォローアップ会議かいぎ」。出席しゅっせき者しゃが口々くちぐちに唱となえたのは、グロース市場いちばの「小粒こつぶさ」への危機きき感かんだった。

グロース市場いちばのコンセプトは「小ちいさく上場じょうじょうして大おおきく育そだてる」ことだ。上場じょうじょう時じに必要ひつような時価じか総額そうがくは（流通りゅうつう株式かぶしきベースで）たった5億おく円えん。その代かわり、10年ねん後ごに時価じか総額そうがく40億おく円えん以上いじょうに成長せいちょうすることを求もとめた。

だが、出席しゅっせきした委員いいんからは基準きじゅんの厳格げんかく化かを求もとめる声こえが相次あいついだ。上場じょうじょうの「入いり口くち」を広ひろげる分ぶん、成長せいちょうできなかった企業きぎょうには退出たいしゅつを促うながすというわけだ。