• 2019.01.23
• 枝えだ久保くぼ達也たつや（鉄道てつどうライター・都市とし交通こうつう史し研究けんきゅう家か）

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リニューアル工事こうじが進すすむ東京とうきょうメトロ銀座ぎんざ線せんの銀座ぎんざ駅えきホームで、太平洋戦争たいへいようせんそう時じに受うけた爆ばく撃げきの「痕跡こんせき」が姿すがたを現あらわしました。被害ひがいが生しょうじた部分ぶぶんはホームから見みることが可能かのう。ただし、今後こんごずっと見みられるかどうかは分わかりません。

リニューアル工事こうじで「露出ろしゅつ」

　東京とうきょうメトロ銀座ぎんざ線せんの銀座ぎんざ駅えき（東京とうきょう都と中央ちゅうおう区く）に、いまも太平洋戦争たいへいようせんそう時じに爆ばく撃げきを受うけた痕跡こんせきが残のこっています。

拡大かくだい画像がぞう

　この痕跡こんせき、従来じゅうらいは化粧けしょうパネルで覆おおわれ、ホームからは見みられませんでした。しかし2019年ねん1月がつ14日にち（月つき）に現地げんちを訪たずねてみたところ、化粧けしょうパネルが撤去てっきょされ、数すう十じゅう年ねんぶりに痕跡こんせきがあらわになっていました。

　東京とうきょうメトロは2012（平成へいせい24）年ねん、開業かいぎょうから90年ねん近ちかく経過けいかしていた銀座ぎんざ線せんのリニューアル計画けいかくを発表はっぴょう。「伝統でんとうの継承けいしょう」などをコンセプトとし、各駅かくえきのリニューアル工事こうじを順次じゅんじ進すすめています。化粧けしょうパネルが撤去てっきょされたのは、このリニューアル工事こうじのためです。

　太平洋戦争たいへいようせんそうが終おわりに近付ちかづいていた74年ねん前まえの1945（昭和しょうわ20）年ねん1月がつ27日にち、米べい軍ぐんは東京とうきょう都心としんを標的ひょうてきとした初はじめての爆撃ばくげき「銀座ぎんざ空襲くうしゅう」を行おこないました。投下とうかされた爆ばく弾だんのひとつは、銀座ぎんざ四よん丁目ちょうめ交差点こうさてんに落下らっか。銀座ぎんざ線せんの銀座ぎんざ駅えきに通つうじている現在げんざいのA2出入口でいりぐちの真横まよこに着弾ちゃくだんし、出入口でいりぐちは破壊はかいされ、すぐ近ちかくの鳩居堂きゅうきょどうビルは炎ほのおに包つつまれました。

　東京とうきょうメトロの前身ぜんしんである営団えいだん地下鉄ちかてつの報告ほうこく書しょによると、爆ばく弾だんはトンネル上部じょうぶに到達とうたつして爆発ばくはつ。浅草あさくさ行いき電車でんしゃが通とおる線路せんろの新橋しんばし寄よりにある鉄骨てっこつ鉄筋てっきんコンクリートの上部じょうぶに3mほどの大穴おおあなが空あき、鉄骨てっこつの桁けたが折損せっそんしました。さらに爆発ばくはつで破壊はかいされた水道すいどう管かんから大量たいりょうの水みずが流入りゅうにゅうし、線路せんろが水没すいぼつしたのです。このため銀座ぎんざ線せんは3月がつ9日にちまで被災ひさい箇所かしょを避さけ、変則へんそく的てきな折おり返かえし運転うんてんを行おこないました。