お風呂ふろで睡眠すいみん負債ふさい解消かいしょう!? 良質りょうしつな「眠ねむり」を誘さそう入浴にゅうよく法ほう【東京とうきょうガス都市とし生活せいかつ研究所けんきゅうじょ】

睡眠すいみん不足ふそくが借金しゃっきんのように積つみ重かさなっていく「睡眠すいみん負債ふさい」という言葉ことばが注目ちゅうもくされています。睡眠すいみん不足ふそくはその日ひ、その場ば限かぎりの問題もんだいではなく、累積るいせきして心身しんしんに悪影響あくえいきょうを及およぼすおそれがあるという報告ほうこくもあります。

厚生こうせい労働省ろうどうしょうが毎年まいとし調査ちょうさしている「国民こくみん健康けんこう・栄養えいよう調査ちょうさ（平成へいせい27年ねん）」によると、男性だんせいも女性じょせいも、2割わり以上いじょうが「睡眠すいみん全体ぜんたいの質しつに満足まんぞくできなかった」と回答かいとうしています。

また、「睡眠すいみん時間じかんが足たりなかった」との回答かいとうが、男性だんせいは2割わり以上いじょう、女性じょせいは約やく3割わりを占しめ、中なかでも男性だんせいでは30歳さい代だい、女性じょせいでは20歳さい代だいおよび40歳さい代だいで約やく4割わりがそのように回答かいとうしています。

1日にちの平均へいきん睡眠すいみん時間じかんが6時じ間あいだ未満みまんの割合わりあいは、ここ数すう年ねんで増加ぞうか傾向けいこうにあり、睡眠すいみんの妨さまたげになっていることは、男性だんせいでは「仕事しごと」、女性じょせいでは「育児いくじ」「家事かじ」という回答かいとうが多おおいようです。

多忙たぼうでなかなか睡眠すいみん時間じかんを増ふやせない現代げんだい人じん。睡眠すいみんの「質しつ」をあげることが着目ちゃくもくされています。特とくに眠ねむり始はじめの時間じかん帯たいの睡眠すいみんの質しつが重要じゅうようであり、そのために必要ひつようなのは、スムーズに眠ねむりに入はいることのようです。

参考さんこう：西野にしの精きよし治ち「スタンフォード式しき 最高さいこうの睡眠すいみん」
参考さんこう：厚生こうせい労働省ろうどうしょう：平成へいせい27年ねん「国民こくみん健康けんこう・栄養えいよう調査ちょうさ」の結果けっか

小中学生しょうちゅうがくせいのころ、水泳すいえいの授業じゅぎょうの後のちで急激きゅうげきな眠気ねむけに襲おそわれた経験けいけんはありませんか?
実じつはここに良質りょうしつな睡眠すいみんのヒントが隠かくされています。

水泳すいえいは全身ぜんしん運動うんどうなので、授業じゅぎょうを終おえたころには血ち流りゅうが良よくなり体温たいおんが上あがっています。その体温たいおんがぐっと下さがり始はじめたころ、ウトウトと心地ここちよい眠気ねむけがやってくるのです。というのも、私わたしたち人間にんげんの体からだは体温たいおんが下さがり始はじめると眠ねむくなるようにできています。

しかも、体温たいおんの下さがり方かたが急きゅうであるほど眠ねむりにつきやすいと言いわれています。水泳すいえいの後のちの眠気ねむけは自然しぜんの摂理せつりにかなっていたんですね。

グラフで確認かくにんしてみましょう。
上うえのグラフは運動うんどうした場合ばあいとしなかった場合ばあいの体温たいおんの上のぼり下さがりを調しらべたもの。下したのグラフは、運動うんどうをした場合ばあいとしなかった場合ばあいの睡眠すいみんの深ふかさを調しらべたものです。

両りょうグラフを重かさねて見みると、運動うんどうをして体温たいおんがいったん上あがった時点じてんでは覚醒かくせいするものの、体温たいおんがぐっと下さがり始はじめると深ふかい眠ねむりに落おちているのがわかります。
つまり、スムーズな入にゅう眠ねむりには都合つごうのよいタイミングで体温たいおんを上あげ、下さがり始はじめたところでお布団ふとんに入はいるのが効果こうか的てきということ。

ではどうやって故意こいに体温たいおんをあげれば良よいのでしょうか? そこで登場とうじょうするのが我われらがお風呂ふろ! 適度てきどな運動うんどうと同様どうよう、入浴にゅうよくは全身ぜんしんの血行けっこうを良よくして体温たいおんを上昇じょうしょうさせてくれます。

上うえの図ずは、環境かんきょう温度おんどの影響えいきょうを受うけにくい身体しんたいの深部しんぶの温度おんどである耳みみ内ないの上昇じょうしょう温度おんどを入浴にゅうよく方法ほうほう別べつに比較ひかくしたものです。入浴にゅうよく方法ほうほうによって差さがみられます。

スムーズな入にゅう眠ねむりに理想りそう的てきな体温たいおん上昇じょうしょうの目安めやすは0.5℃程度ていど※と言いわれています。

同おなじ10分ぶんの入浴にゅうよくで比較ひかくした場合ばあい、シャワー浴よくに比くらべ全身ぜんしん浴よくの方ほうが温あたたまりの効果こうかが高たかく、また、ぬるめのお湯ゆでの半身はんしん浴よくでも入浴にゅうよく時間じかんを長ながめに取とることで、全身ぜんしん浴よくと同おなじくらい温あたたまることがわかります。お湯ゆの圧迫あっぱく感かんが苦手にがてな方ほうには、浴室よくしつを温あたためて、38℃の半身はんしん浴よくを行おこなう方法ほうほうもおすすめです。

就寝しゅうしん直前ちょくぜんに熱あついお湯ゆに入はいると覚醒かくせいしやすくなるため、お湯ゆの温度おんどは40℃以下いか、就寝しゅうしんの1時じ間あいだから2時じ間あいだ前まえに入浴にゅうよくを済すませておくとよいでしょう。

※体温たいおん上昇じょうしょうや睡眠すいみんには個人こじん差さがあります。時間じかんや温度おんどはあくまで目安めやすです。
※参考さんこう：足利あしかが大だい（小林こばやし敏孝としたか氏し）日常にちじょう生活せいかつにおける快適かいてきな睡眠すいみんの確保かくほに関かんする総合そうごう研究けんきゅう

安眠あんみん点てん（耳みみの後うしろあたり）
耳みみたぶのうしろの骨ほね沿ぞいに安眠あんみん点てんがあります。安眠あんみん点てんを刺激しげきすると緊張きんちょう感かんがほぐれ、自律じりつ神経しんけいのバランスよくなります。温水おんすいシャワーを2～3分ふん当あてましょう。

足あし先さき全体ぜんたい 足あし先さきには様々さまざまなツボが集中しゅうちゅうしており、第だい二にの心臓しんぞうといわれるほど。足あし先さきの冷びえの解消かいしょう、血行けっこうの促進そくしんも兼かねて足あし先さき全体ぜんたいに温水おんすいシャワーを当あてましょう。

参考さんこう：東京とうきょうガス都市とし生活せいかつ研究所けんきゅうじょ「しあわせバスタイムレシピ」

ラベンダーは心身しんしんにリラックスを与あたえてくれるので、ストレスを緩和かんわして張はりつめた神経しんけいを癒いやし、安眠あんみんに役立やくだってくれるでしょう。

フランキンセンスは浄化じょうかの精油せいゆとしてヨーロッパでは家庭かていに常備じょうびされていると言いわれています。呼吸こきゅう器きのトラブルをサポートしてくれるので咳せき、気管支炎きかんしえん、ノドの痛いたみがある時ときにも適てきしていると言いわれています。

グレープフルーツの爽さわやかな香かおりがリラクゼーションを誘さそいます。

（レシピ＆コメント提供ていきょう／アロマサロンセラピュア 小澤おざわ智子さとこ先生せんせい）

※アロマの容量ようりょうを守まもりましょう
※レシピはあくまでも参考さんこうに。自分じぶんがいい香かおりだと思おもったものが、その時ときあなたの体からだが欲ほっしている精油せいゆです。自分じぶんが好すきだと感かんじる香かおりからお試ためしください。
※妊娠にんしん中ちゅうの方ほうや幼児ようじの使用しようには注意ちゅういが必要ひつようです。

心身しんしんともにリラックスできるよう、浴室よくしつ環境かんきょうを整ととのえるのも大切たいせつです。

気持きもちよく入浴にゅうよくするためにも、入浴にゅうよく前まえに浴室よくしつを暖あたためておきたいもの。
そんな時ときに活躍かつやくするのが、「浴室よくしつ暖房だんぼう」や「ミストサウナ」です。

寒さむい浴槽よくそうと熱あついお湯ゆの温度おんど差さは体からだに負担ふたんがかかります。浴室よくしつはもちろん、脱衣だつい室しつも暖房だんぼうして温度おんどバリアフリーを実現じつげんしましょう。

入浴にゅうよく前まえにスイッチオンしておけば、浴室よくしつ全体ぜんたいがムラなく暖あたたまります。入浴にゅうよく中ちゅうのヒートショックをなくすには、安心あんしんして入浴にゅうよくできるよう浴室よくしつと湯ゆ温ゆたかとの差さを少すくなくすることが必要ひつようです。

いかがでしたか? 入浴にゅうよくと眠ねむりの関係かんけいについてご紹介しょうかいしました。
時間じかんがなくてついシャワーで済すませてしまう…なんてこともあるかもしれませんね。
良質りょうしつな睡眠すいみんは、一いち日にちの疲つかれを解消かいしょうし、心身しんしんの健康けんこうのためにも必要ひつよう不可欠ふかけつです。改あらためて、入浴にゅうよくタイムを見直みなおしてみてくださいね。