子こどもの服ふくに墨汁ぼくじゅうが･･･! 洗濯せんたく物ぶつについた墨汁ぼくじゅうのシミを落おとす方法ほうほう

落おとしにくいシミの代表だいひょうでもある墨汁ぼくじゅう。どうして墨汁ぼくじゅうは服ふくにつくと落おちにくいのでしょうか? クリーニング店てんを運営うんえいする傍かたわら、シミ抜ぬきのプロとして全国ぜんこくで講師こうしも務つとめる横倉よこくら靖幸やすゆきさんにお話はなしを伺うかがいました。

（横倉よこくらさん）「墨汁ぼくじゅうの主成分しゅせいぶんは粉末ふんまつの炭素たんそ(たんそ)と接着せっちゃく剤ざいの役割やくわりを果はたす膠にかわ(にかわ)です。炭素たんその粒子りゅうしは1つひとつが大変たいへん小ちいさいため、墨汁ぼくじゅうが衣類いるいにつくと、粒子りゅうしが衣類いるいの繊維せんいに引ひっかかっている状態じょうたいになります。そのため、引ひっかかっている炭素たんその粒子りゅうしを繊維せんいからはがして、流ながし出だす必要ひつようがあるのです」

ーーー服ふくに汚よごれがついてしまったらなるべく早はやく対処たいしょすることが肝心かんじんと言いいますが、墨汁ぼくじゅうの場合ばあいはどうなのでしょうか?

（横倉よこくらさん）「墨汁ぼくじゅうが衣類いるいについてしまったら、まずはシミが広ひろがらないように応急おうきゅう処置しょちをします。墨すみがついた部分ぶぶんをティッシュで挟はさんで水分すいぶんを取とり除のぞいてください。この時ときゴシゴシこすってしまうと、汚よごれが広ひろがってしまうだけでなく繊維せんいを傷いためてしまうので注意ちゅういしましょう」

横倉よこくらさんいわく、墨汁ぼくじゅうのシミを落おとすには、固形こけい石鹸せっけんがオススメとのこと。墨汁ぼくじゅうは細こまかい炭素たんその粒子りゅうしを膠にかわ(にかわ)で定着ていちゃくさせています。固形こけい石鹸せっけんに含ふくまれる界面かいめん活性かっせい剤ざいは、この膠にかわ(にかわ)をはがしやすくしてくれる役割やくわりがあるそうです。なお、液体えきたい石鹸せっけんよりも洗浄せんじょう力りょくの強つよい固形こけい石鹸せっけんが良よいようです。

・墨汁ぼくじゅうのシミに少すこしだけ水みずをつけます
・石鹸せっけんを墨汁ぼくじゅうのシミの部分ぶぶんに直接ちょくせつつけて、揉もみ込こみます。
・泡立あわだってきたら優やさしく揉もみ洗あらいする。
・最後さいごに水みずで流ながす。

上うえの工程こうていを繰くり返かえして汚よごれを落おとしていきます。

ーーー墨汁ぼくじゅうのシミはとても頑固がんこな汚よごれです。固形こけい石鹸せっけんで、揉もみ洗あらいしてもなかなか落おとしきれないことも･･･。そんな時ときはどうすれば良よいのでしょうか?

（横倉よこくらさん）「固形こけい石鹸せっけんを揉もみ込こんで洗あらった後のち、男性だんせい用ようのスクラブ洗顔せんがん料りょうを使つかうと良よいでしょう。スクラブは、金平糖こんぺいとうのようにトゲトゲとした形状けいじょうをしています。固形こけい石鹸せっけんの界面かいめん活性かっせい剤ざいが墨汁ぼくじゅうに含ふくまれる膠にかわ(にかわ)をはがした後のち、スクラブが炭素たんその粒子りゅうしを絡からめ取とってくれるのです」

・石鹸せっけんを汚よごれの部分ぶぶんにつけて揉もみ込こみ、水みずで流ながす
・墨汁ぼくじゅうのシミにスクラブ入いりの洗顔せんがん料りょうを塗ぬり込こむ
・汚よごれが落おちたら水洗みずあらいして普段ふだん通どおり洗濯せんたくする

墨汁ぼくじゅうのシミを落おとす時ときは専用せんようのシミ抜ぬき液えきを使つかうことも一ひとつの方法ほうほうですが、衣類いるいの種類しゅるいによっては色いろ落おちしてしまう可能かのう性せいもあるので、目立めだたないところで試ためしてから行おこないましょう。またレーヨンやシルクなど、繊維せんいによってはシミ抜ぬきが適てきさない場合ばあいもあるので、少すこしでも不安ふあんがあればプロのクリーニング店てんに依頼いらいしましょう。

墨汁ぼくじゅうのシミは落おとしにくい汚よごれですが、すぐに対応たいおうすれば自宅じたくでも落おとすことができます。ぜひ参考さんこうにしてみてください。

※シミがついてから時間じかんが経過けいかしていた場合ばあいや衣類いるいの素材そざいによって上うえにご紹介しょうかいした方法ほうほうで落おちない場合ばあいもあります。また色いろ落おちや変色へんしょくなどのリスクがあるため、失敗しっぱいしたくない衣類いるいの場合ばあいは、プロのクリーニング店てんに依頼いらいするようにしましょう。