年末ねんまつから寒波かんぱに襲おそわれていたアメリカ北東ほくとう部ぶで1月がつ4日にち、吹雪ふぶきで約やく8万まん個こが停電ていでん、交通こうつう機関きかんにも混乱こんらんが生しょうじました。非常ひじょう事態じたい宣言せんげんが出だされたニューヨークのラガーディアン空港くうこうとジョン・Fケネディ空港くうこうは視界しかい不良ふりょうのため航空機こうくうきの離発着りはっちゃくを中断ちゅうだんするなど全米ぜんべいで5000便びんが欠航けっこう。

米べい国立こくりつ気象きしょう局きょくは被害ひがい海岸かいがん一帯いったいに暴風ぼうふう雪ゆき警報けいほうを発令はつれい。風速ふうそくは30m/sを超こえ、ボストン周辺しゅうへんでは30cmの積雪せきせつ、ニュージャージー州しゅうの一部いちぶ地域ちいきでは45cmの積雪せきせつを記録きろくしました。ふだんは温暖おんだんなフロリダ州しゅうでは30年ねんぶりに降雪こうせつに見舞みまわれたのです。

また、ロシア極東きょくとうやシベリア各地かくちでも記録きろく的てきな大だい寒波かんぱに。先日せんじつ17日にちまでに東ひがしシベリア・サハ共和きょうわ国こくではなんとマイナス67℃を記録きろくしました。

アメリカ東部とうぶとは大西洋たいせいようをはさんだアフリカ大陸たいりくにも異変いへんが起おこっていました。1月7日にち、冬ふゆでも太陽たいようがカンカンと照てりつけるサハラ砂漠さはらさばくで異例いれいの降雪こうせつを観測かんそくしました。

「サハラ砂漠さはらさばくへの入口いりくち」として知しられるアルジェリアの町まちアインセフラでは気温きおんが1℃まで低下ていか。実じつは1年ねん前まえの2016年ねん12月に36年ねんぶりに降雪こうせつが観測かんそくされ、2シーズン連続れんぞくの降雪こうせつとなったのです。

寒さむさに震ふるえる北半球きたはんきゅうと対照たいしょう的てきに、南半球みなみはんきゅうのオーストラリアは歴史れきし的てき猛暑もうしょに見舞みまわれ、シドニー郊外こうがいのペンリスでは47.3℃に上昇じょうしょうし、79年ねん前まえ(1939年ねん)の47.8℃に次つぐ史上しじょう2位いを記録きろくしました。この猛暑もうしょのためテニスの「シドニー国際こくさい」が中断ちゅうだんされ、一部いちぶの道路どうろではアスファルトが溶とけて大だい規模きぼな渋滞じゅうたいが発生はっせいしましました。

こうした極端きょくたん現象げんしょうの原因げんいんの一ひとつとして指摘してきされるのが地球ちきゅう温暖おんだん化かです。

18日にちには米べい航空こうくう宇宙うちゅう局きょく（NASA）が2017年ねんの世界せかいの平均へいきん気温きおんが1880年ねん以降いこうの観測かんそく史上しじょう2番目ばんめの高たかさだったと発表はっぴょう。改あらためて温暖おんだん化かの歯止はどめがかかっていない事ことが示しめされています。

ウェザーニュースの気象きしょう予報よほう士し、森田もりた清輝きよてるさんが語かたります。

「IPCC(気候きこう変動へんどうに関かんする政府せいふ間あいだパネル)の『第だい5次じ評価ひょうか報告ほうこく書しょ(2013〜14年ねん)』は、地球ちきゅう温暖おんだん化かにより熱ねつ波は、干かんばつ、洪水こうずい、低てい気圧きあつ(サイクロン)、森林しんりん火災かさいなどのリスクが高たかまるとしています。その一方いっぽうで、寒波かんぱ、極寒ごっかん、降雪こうせつなど地球ちきゅう温暖おんだん化かに反はんするような現象げんしょうは、以前いぜんより頻度ひんどは減へるものの、パワーアップした形かたちで出現しゅつげんする、つまり気象きしょう現象げんしょうの振幅しんぷくが大おおきくなるというのです」

同どう報告ほうこく書しょは、地球ちきゅう温暖おんだん化かがもたらす8つのリスクをあげていますが、その一ひとつが「極端きょくたんな気象きしょう現象げんしょうによるインフラ機能きのう停止ていし」です。アメリカの大だい寒波かんぱ、オーストラリアの熱ねつ波はという極端きょくたんはその典型てんけい例れい。今年ことしも気候きこうの極端きょくたん現象げんしょうに要よう警戒けいかいです。