横浜はじめて物語‐ガス灯‐～横浜ベイサイドウォッチ～

(Translated by https://www.hiragana.jp/)
横浜はじめて物語‐ガス灯‐～横浜ベイサイドウォッチ～

The Wayback Machine - https://web.archive.org/web/20040204001932/http://www.yokohama-bayside.com:80/031003-2.html

第だい１回かい　文明開化ぶんめいかいかの象徴しょうちょう－ガス灯がすとう－

１８５４年ねん（安政あんせい元年がんねん）日米にちべい和親わしん条約じょうやく（神奈川かながわ条約じょうやく）が横浜よこはまの地ちで結むすばれから来年らいねんで丁度ちょうど１５０年ねん。西洋せいよう文化ぶんかの入口いりくちとして、横浜よこはまにはさまざまな新あたらしいモノが入はいってきました。
このコーナーでは、西洋せいようからはじめて横浜よこはまを通とおして日本にっぽんに入はいった文化ぶんかやモノを紹介しょうかい、その歴史れきしと現在げんざいをお伝つたえする温故知新おんこちしん企画きかくです。

日本にっぽん初はつのガス会社かいしゃが横浜よこはまに誕生たんじょう

横浜よこはま開港かいこう当初とうしょは、まだ電気でんきも無ない。夜よるともなると道みちは真まっ暗くらでとても危険きけんだった。そんな横浜よこはまの街まちにガス灯がすとうを灯ともそうと日本人にっぽんじん初はつのガス会社かいしゃを設立せつりつしたのが、高島たかしま嘉よしみ衛門えもんという人物じんぶつだった。
嘉よしみ衛門えもんは１８７０年ねん（明治めいじ３年ねん）にフランス人じん技師ぎしペルグランを招まねき、日本にっぽん初はつのガス工場こうじょうの建設けんせつに取とり掛かかった。その２年ねん後ご、１８７２年ねん（明治めいじ５年ねん）９月がつ１日にちには、伊勢山いせやま下か石炭せきたん蔵ぞう跡あと（現在げんざいの中ちゅう区く花咲はなさき町まち・本町ほんちょう小学校しょうがっこうあたり）に横浜よこはま瓦斯がす(ガス)会社かいしゃ（のちに横浜よこはま瓦斯がす局きょくとなる）が造つくられた。そして同年どうねん９月がつ２９日にち、わが国くに初はじめてのガス灯がすとうが、ここ横浜よこはまの大江橋おおえばし（桜木町さくらぎちょう近ちかくの橋はし）から馬車ばしゃ道どう・本町通ほんちょうどおり界隈かいわいに設置せっちされたのだ。

あまりのまぶしさに見物人けんぶつにんもビックリ

当時とうじのガス灯がすとうは、石炭せきたんから発生はっせいさせたガスをそのまま燃もやす「裸はだか火ひ」（はだかび）で、柱はしらは英国えいこくから輸入ゆにゅうされ、上部じょうぶについている灯ひ具ぐは日本人にっぽんじん職人しょくにんによって造つくられたといわれている。
その明あかるさは１５ワットほどしかなかったというが、提灯ちょうちんがなければ歩あるけないほど真まっ暗くらだった時代じだい、あまりの明あかるさに人々ひとびとは驚おどろき、文明開化ぶんめいかいかの象徴しょうちょうをひと目め見みようと多おおくの見物人けんぶつにんが集あつまったという。
その歴史れきしを伝つたえる記念きねん碑ひが、馬車ばしゃ道どうの関内かんないホール脇わきにある。当時とうじの型かたをモデルとしたガス灯がすとうを復元ふくげん。また壁面へきめんには、横浜よこはま開港かいこう資料しりょう館かん所蔵しょぞうの絵葉書えはがきを転写てんしゃした明治めいじ末期まっきの馬車ばしゃ道どうの様子ようすを描えがいたレリーフも設置せっちされている。また初はつのガスと会社かいしゃが作つくられた中ちゅう区く花咲はなさき町まちの本町ほんちょう小学校しょうがっこうの前まえにも、同おなじようにガス灯がすとうと記念きねん碑ひがある。

馬車ばしゃ道どうで本物ほんもののガス灯がすとうが復活ふっかつ

初はじめてガス灯がすとうのあかりともってから１３１年ねん。横浜よこはま市しのライブタウン整備せいび事業じぎょう（公共こうきょう施設しせつ整備せいびにあわせて商業しょうぎょう基盤きばん施設しせつの整備せいびを支援しえんする事業じぎょう）の一環いっかんとして、馬車ばしゃ道どうのガス灯がすとうが復活ふっかつした。２００３年ねん（平成へいせい１５年ねん）３月がつに完成かんせいした通とおりには、イギリスから輸入ゆにゅうした本物ほんもののガス灯がすとう６０基きと本物ほんもののレンガを移設いせつ、通とおりは車道しゃどうを狭せまく歩道ほどうを広ひろくして段差だんさを無なくし歩あるき安やすくした。また低木ていぼくや花はなを植うえられる植うえ栽帯というスペースも確保かくほし、異国いこく情緒じょうちょあふれゆったりとした通とおりへ整備せいびされた。

温あたたかみがある優やさしい光ひかりで、馬車ばしゃ道どうを優やさしく包つつむガス灯がすとうの光ひかり。そんな光ひかりに照てらされながら、文明開化ぶんめいかいかの頃ころへ思おもいをはせるのもいいかもしれない。
（文ぶん・取材しゅざい　益田ますだ典彦のりひこ）

ガス灯がすとうの暖あたたかい光ひかりが馬車ばしゃ道どうを照てらす	ガス灯がすとうの柱はしらには全すべて馬車ばしゃ道どうの文字もじとマーク
馬車ばしゃ道どうの関内かんないホール前まえにある記念きねん碑ひ	記念きねん碑ひ壁面へきめんのレリーフ

Jan	FEB	Apr
	04
2003	2004	2005