白鵬の土俵入りに異論、「所作省略」との指摘
右手を上げる所作を省いて左でしこを踏む白鵬(5日午前11時38分、東京都足立区の西新井大師で)=小林武仁撮影
大相撲の白鵬(28)が9月の秋場所で見せた横綱土俵入りの所作について、好角家から「物言い」がついた。
不知火型の白鵬は両腕を掲げながらせり上がった後、最後に右、左の順でしこを踏む。この際、右脚を上げる前には左腕を横に伸ばしていたが、左脚の時には右腕を上げる動作を省いていたという。秋場所を中継したNHKにも、このシーンを見た視聴者から異論が寄せられたという。
ファンから指摘を受けた日本相撲協会は、審判部から師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)を通じて、横綱本人に伝えた。
相撲協会によると、土俵入りの所作に厳格な決まりはない。白鵬も当初は脚と反対の腕を双方とも伸ばしていた。今の形になったのは、横綱に昇進して5年がたった昨年頃からで、師匠には「双葉山の土俵入りに倣って所作を変えた」と話しているという。69連勝の最多記録を持つ双葉山は白鵬が尊敬する人物。日頃から映像を見て研究し、大横綱から学ぼうとしている。
5日には、東京都足立区の西新井大師で奉納土俵入りが行われた。双葉山の所作に倣った白鵬は、「雨で滑るかと思ったが、うまくできた」と強いこだわりを感じさせたが、所作に異論が出ているとの質問は受け付けなかった。7日には明治神宮で北の湖理事長ら協会幹部が見守る中で土俵入りを奉納する。
(2013年10月5日18時53分 読売新聞)
◇スポーツ写真 ◇大相撲写真特集 ◇最新場所の取組結果