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特別インタビュー Xbox 360「テイルズ オブ ヴェスペリア」前編
The Wayback Machine - https://web.archive.org/web/20140711135219/http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080414/tov1.htm
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特別とくべつインタビュー
Xbox 360「テイルズ オブ ヴェスペリア」(前編ぜんぺん

2008ねん 発売はつばい予定よてい

価格かかく未定みてい

樋口ひぐち義人よしひとひだり)、郷田ごうだつとむみぎ
 2008ねん発売はつばい予定よてい株式会社かぶしきがいしゃバンダイナムコゲームスのXbox 360ようRPG「テイルズ オブ ヴェスペリア(以下いか、TOV)」。「テイルズ オブ」シリーズ13ねん作品さくひんにして、HD解像度かいぞうどテレビに対応たいおうした、Xbox 360でのはつタイトルとなる。

 今回こんかいはその発売はつばい記念きねんして、「TOV」プロデューサーの樋口ひぐち義人よしひと郷田ごうだつとむにインタビューを敢行かんこう。Xbox 360というハードで「テイルズ オブ」をつく理由りゆう、「TOV」の制作せいさく秘話ひわまで貴重きちょうなおはなしうかがうことができた。長編ちょうへんとなったので、前後ぜんごへんけておとどけする。(文中ぶんちゅう敬称けいしょうりゃく


■ 「TOV」は現行げんこうハードのベンチマークてきタイトル

Xbox 360はつのシリーズタイトルとなった「TOV」
――お2人ふたり作業さぎょう役割やくわりは?

郷田ごうだ 昨年さくねん4がつにバンダイナムコゲームスの体制たいせいになったことで、ナムコレーベルについては、開発かいはつのプロデューサーとわたしのようなプロダクションの組織そしきにいるプロデューサーの2めい体制たいせいでやることになりました。ですから、「テイルズ オブ ヴェスペリア(以下いか、TOV)」の役割やくわり分担ぶんたんは、映画えいが産業さんぎょうたとえると樋口ひぐちそう監督かんとくわたしがプロデューサーというかんじですね。「TOV」の中身なかみかんしては樋口ひぐち全面ぜんめんてき責任せきにんち、わたしは「TOV」をビジネスとして成功せいこうさせることに責任せきにんがありますね。情報じょうほうかた同時どうじ展開てんかいなど「TOV」という作品さくひん全体ぜんたいのビジネススキームをかためていくやく。それと開発かいはつくなったら交渉こうしょうするみたいな(笑)。冗談じょうだんですけど(笑)。

樋口ひぐち 今回こんかいはプロジェクトのげの段階だんかいおおめに予算よさんもらっていますけどね(笑)。ぼくほうで「TOV」の中身なかみのクオリティにかんするすべて、ゲームをどうえがいていくかという指揮しき、というところで2人ふたり二人ふたりさんきゃくですね。いまはナムコレーベルについてはすべてがそんなかんじです。

――作業さぎょうのスタイルからして、いままでのナムコレーベルとはちがうのですね。

樋口ひぐち いままでのナムコレーベルは1人ひとり全部ぜんぶやっていて、展開てんかい仕方しかたとかはやりきれていなかった部分ぶぶんおおかったですね。そのこぼれた部分ぶぶんはバンダイのノウハウをれてやっていきましょう、とわってちょうどいまで1ねんくらいになります。

郷田ごうだ わたし樋口ひぐちきゅうナムコの人間にんげんなので、わせてきにはバンダイ出身しゅっしん人間にんげんわたしのポジションにいたほうがよかったのかもしれません。ただ、樋口ひぐちとは「テイルズ オブ ジ アビス(以下いかTOA)」のころからゲームとモバイルの連動れんどうなどを一緒いっしょにやっていたので、結果けっかてき仕事しごとがしやすいですね。

――バンダイ出身しゅっしんほうは、そとからているとトータルプロデュース、とくにマーチャンダイジング……たとえばアニメですとかフィギュアなどゲームからそとひろがる製品せいひんとかやっていくときにつよそうなイメージですが?

郷田ごうだ 今回こんかいわたしがそういう担当たんとうとして色々いろいろ展開てんかいまっているのですが、残念ざんねんながら今日きょう段階だんかいでは発表はっぴょうはできません。まあ、いままでの「テイルズ オブ」シリーズにはみをしています。ゲーム自体じたいもかつてないクオリティだと個人こじんてきにはおもっていますので、それに見合みあうだけのビジネススキームをんでいるところです。

樋口ひぐち 「TOV」は特別とくべつなポジションというかんじですかね。じっくりとやらせてもらっているかんはありますね。

郷田ごうだ じっくりつくりこませてもらってますね。

――と、いいますと、開発かいはつ期間きかんながそうですが?

樋口ひぐち ぼくが「TOA」をやっていた最後さいごのほう……2005ねんなつくらいに、当時とうじ次世代じせだい表現ひょうげん研究けんきゅうをしましょう、というプロジェクトがはじまり、そこのライブラリチームができていたんですね。で、いのちけずって「TOA」をやりおえて(笑)。としけて2006ねんの2がつくらいになり、次世代じせだい表現ひょうげん研究けんきゅうに「テイルズ オブ」をせようよ、というはなしわたしばれて、「はい、やってみます」ということになりましたね。当時とうじは“まだプレイステーション 2でせるよ”とおもっていた時期じきでしたけど、色々いろいろかんがえていくうちに、“2〜3ねんきゅう世代せだい需要じゅようつづいているのだろうか?”というおもいもはじめてきたということと、個人こじんてきにはHD映像えいぞうへの興味きょうみがあったので「次世代じせだい覚悟かくごめますか!」とプロジェクトが本格ほんかくしたのが2006ねんの5がつ。ですから、大体だいたい3ねんですね。藤島ふじしまやすしかい先生せんせいに(キャラクタデザインを)発注はっちゅうしたのもそのくらいですから。

――次世代じせだい、まあ現行げんこうなのですけど(笑)、で映像えいぞうがHDになって開発かいはつ規模きぼおおきくなったりしましたか?

樋口ひぐち 元々もともとのチームの規模きぼはそんなにえられないんですよね。そうなると開発かいはつはじめに背筋せすじがぞっとしたのがモデルなどの素材そざい作成さくせいですね。いままでのノリで、こう解像度かいぞうどよう背景はいけいモデルをつくると、PS2とおな面積めんせきでも作業さぎょう時間じかんばいくらいかかるんですよ。単純たんじゅんかんがえると、「おい、(きゅう世代せだいおな開発かいはつ期間きかんで)マップがいままでの半分はんぶんかい!」っていう残酷ざんこく結果けっかが2006ねんの8がつくらいにわかってきたんですね。当初とうしょのスケジュールでは「TOV」を2007ねんすえくらいに予定よていだったので、「このままじゃ、ゲームのボリュームが半分はんぶんになるよね……」というはなしになりまして。“ゲームの構造こうぞうえなきゃ”というところまでまれました。ただでさえ次世代じせだいでやる「テイルズ オブ」なのに、ゲーム自体じたいが「テイルズ オブ」とすこわってしまうのでは、お客様きゃくさま誠意せいいせることができない。と、上層じょうそうきつきまして(笑)。スケジュールと予算よさんをもらって、プロジェクトの人員じんいんなおすなどして、いま発売はつばいスケジュールと規模きぼ変更へんこうしました。

郷田ごうだ あそこでっていなかったら、「あれ、ボリューム半分はんぶん?」みたいなゲームになっていたかな、とおもいます。

樋口ひぐち ぼくらは当時とうじ次世代じせだいでゲームをつくるノウハウがなかったので、そこまでめなかったというのもありますね。「テイルズ オブ」には12ねん制作せいさく過程かていつちかわれた独自どくじ手法しゅほうがありますから。きゅうにそこをえようとおもっても、やっぱり大変たいへんですよ。

――いままでの「テイルズ オブ」シリーズのフィールドだと、地上ちじょう空中くうちゅうがあってべつ世界せかいがあったわけですが、それが地上ちじょうだけになってしまうようなかんじですかね。

樋口ひぐち いろえで地上ちじょうフィールドをもう1つつくるとかね(笑)。たとえば、「テイルズ オブ」っておなじダンジョンに2かいいったりするんですよね。「TOV」の開発かいはつ初期しょき場合ばあい、それが4かいになってしまう雰囲気ふんいきでした。「それはちょっとなー」とおもいまして、りましたね。ですから、ボリュームてきには安心あんしんしてもらっていいとおもいます。

郷田ごうだ ムービー、クオリティ、グラフィックスもふくめて煮詰につめていった結果けっか過去かこ最大さいだいきゅうの「テイルズ オブ」になっています。

樋口ひぐち 全体ぜんたいのイメージは、「TOA」にちかいボリュームかな。

郷田ごうだ HDではじめての「テイルズ オブ」ですし、「TOV」が今後こんごHDでしていく「テイルズ オブ」のベンチマークとなるのではないでしょうか。

樋口ひぐち ボイスやテキストりょうは「トラスティベル 〜ショパンのゆめ〜」の2〜3ばいになるとおもいます。

郷田ごうだ 客様きゃくさまにとっては安心あんしんしてあそべる次世代じせだいタイトルになるとおもいますよ。

樋口ひぐち ここまで馬鹿ばかげ正直しょうじきにゲームつくろうというチームもなかなかないとおもいますよ、いまどき。本当ほんとう正統せいとう進化しんかしたかたちの「テイルズ オブ」というかんじですね。

「TOV」の主人公しゅじんこう、ユーリ・ローウェル
――密度みつどはあがっているけど、行動こうどう範囲はんい使つか時間じかんはあまりわらないんですね。

樋口ひぐち 「テイルズ オブ」は様々さまざま育成いくせい要素ようそやサブシナリオなどの脇道わきみちおおよこひろがっているとおもわれがちなんですけど、じつはメインストーリーのボリュームが充実じゅうじつしてたてながいんですね。そこは保障ほしょうされているとおもいますよ。わかりやすいのはクリアタイム。流行りゅうこうのRPGでは20〜30あいだ平均へいきんてきというのがえてきていますが、「テイルズ オブ」では“それはまずかろう”とぼくおもっていて、「TOV」でもいつもとおりに50〜60あいだとなっていますね。そこはきのないストーリー展開てんかい、ゲームバランスが保障ほしょうされています。

郷田ごうだ はなし痛快つうかいですよ、わかりやすくてかっこいい展開てんかい今回こんかい、あまり主人公しゅじんこうなやまないんですよ(笑)。

――めずらしいですね(笑)。毎回まいかい、「テイルズ オブ」の主人公しゅじんこう自身じしん価値かちかんがリセットされるくらいなやみまくっている印象いんしょうがありますけど。

樋口ひぐち 「おまえ人間にんげんくずだ」みたいな重大じゅうだい事件じけんがあり(笑)、そこで人間にんげんてきおおきく成長せいちょうしていくことがおおいのですが、そういうところは今回こんかいうすめにしてあります。まよいません、ユーリくん

郷田ごうだ ユーリは仲間なかまっていくタイプですね。「テイルズ オブ」の主人公しゅじんこうって仲間なかまられるというか、RPGの主人公しゅじんこうって大体だいたいそんなかんじなんですけど、それがない。

樋口ひぐち ひとてるんです。周囲しゅういをバックアップしていくかんじのわりと大人おとな対応たいおうができる主人公しゅじんこうですね。Xbox 360というハードのお客様きゃくさまぞうとしては、年齢ねんれいてき従来じゅうらいのハードよりはたかめにかんじていますので、物語ものがたり内容ないようとしてもすこ大人おとな主人公しゅじんこうぞうにしてあります。

郷田ごうだ 初期しょきの「テイルズ オブ」からやっているひともいるとおもいますけど、ハードのターゲットそうかんがえて、海外かいがいユーザーの日本にっぽん漫画まんがやゲームがきなユーザーにアピールするなら、大人おとな設定せっていほうがいいだろうとおもいました。あくまで日本にっぽんのファンがメインですけど、ハードがワールドワイドなのでそちらの方々かたがたにもたのしんでもらいたい。

樋口ひぐち いままで、海外かいがい一番いちばんれたのは「テイルズ オブ シンフォニア(以下いか、TOS)」なんです。北米ほくべいで60まんほん欧州おうしゅうで25まんほん。PS2はん、ニンテンドーゲームキューブ(以下いか、GC)ばんわせて160まんほんくらい。ですから、海外かいがい市場いちば可能かのうせいかんじていました。フランス、イタリア、ドイツなどでジャパンアニメーションに理解りかいふかまっていますが、その潮流ちょうりゅうれるタイトルが「テイルズ オブ」だと実感じっかんしています。プロダクションI.Gさんのすばらしいアニメーションや、藤島ふじしま先生せんせいおおきな武器ぶきですね。

郷田ごうだ 誤解ごかいいようにっておきますけど、「TOV」はたまたま情報じょうほう海外かいがいさきたために、海外かいがい先行せんこう仕様しようというイメージをたれているかんじがするんですが、それは誤解ごかいですから(笑)。あくまで日本にっぽんのお客様きゃくさま中心ちゅうしんにしています。ネットじょうでは“『TOV』は北米ほくべいのユーザーけにつくってあるらしいぜ”とか、“アメリカンなノリみたいだぜ”なんてうわさされてますけど、ちがいます(笑)。

樋口ひぐち だって、FPS(一人称いちにんしょうシューティングゲーム)ばかりをやっているひとが、いきなり「テイルズ オブ」をやらないでしょ(一同いちどうわらい)。

郷田ごうだ FPSしかやらないひとめる作品さくひんつくろう、なんて「テイルズ オブ」シリーズではありえないですから(笑)。そこまでぼくらも傲慢ごうまんではありません(笑)。

――「TOS」や「テイルズ オブ デスティニー2(以下いか、TOD2)」あたりまでは、海外かいがいリリースが国内こくないのちだったのに、今回こんかい北米ほくべいあたりでさき情報じょうほうしゅっていたりしますから、誤解ごかいされたのでしょうかね。ねんのためいておきますけど、「TOV」のキャラクタが筋肉きんにく隆々りゅうりゅうだったり、典型てんけいてきなハリウッド映画えいがのようなハードな展開てんかいだったりすることは……。

樋口ひぐち そんなことはございません!(笑)と、ここで断言だんげんさせていただきます。

郷田ごうだ ハリウッド映画えいがという言葉ことばてきたのでってみますが、今回こんかいのストーリーは時代じだいげきのような勧善懲悪かんぜんちょうあくのノリですよ。わたし冒険ぼうけん活劇かつげきってもいいとおもっています。

樋口ひぐち 過去かこ事例じれいから北米ほくべい日本にっぽんさんRPGを展開てんかいするノウハウが蓄積ちくせきしてきているのもかぜですね。また、ボタンをしたらしただけ攻撃こうげきするゲームがこのまれるのが北米ほくべい。であるならば、RPGのバトルもターンせいよりリアルタイムせいこのまれる傾向けいこうにあるんです。そういう意味いみでは北米ほくべい展開てんかいかぜいているとおもいますね。

――「テイルズ オブ」は北米ほくべいてきしている?

樋口ひぐち てきしていますね。ただ、圧倒あっとうするようなスバけた要素ようそがたくさんあれば、ターンせいでもいいんでしょうけど(笑)。

郷田ごうだ アニメのキャラがうごいているようなビジュアル、っていうところで北米ほくべいではうまくほかのRPGと差別さべつができていますね。目指めざしている方向ほうこうせいはアニメRPGに辿たどいている。あのグラフィックスイメージでつたえやすい。

――「アイドルマスター」を北米ほくべいってくれ、というお客様きゃくさまもいますからね。

樋口ひぐち 間違まちがいなくそのそうはあるとおもいますよ。弊社へいしゃの「ナルティメット」シリーズや「ドラゴンボール」シリーズも欧米おうべいれていますからね。


手探てさぐりながらも開発かいはつノウハウは蓄積ちくせきされた

HD解像度かいぞうど対応たいおうすることで、グラフィックスデータりょうばい以上いじょうえたという
――グラフィックスのけんですが、PS2やGC世代せだいからすると、現行げんこうのグラフィックス制作せいさくかんがかた根本こんぽんてきえる必要ひつようがありそうですね。

樋口ひぐち FPSのような一人称いちにんしょう視点してんのゲームとはことなり、RPGはどこまでつくったらいいのか、開発かいはつ初期しょきはよくわからなかった。開発かいはつ初期しょきげん段階だんかいのバージョンを比較ひかくしてみるとすごくわっています。それはどこかというと、質感しつかん空気くうきかん奥行おくゆきのひろがり、ひかり使つかかたなど、きりがないんです。一人称いちにんしょう視点してんならえるところをすべてつく必要ひつようがありますが、「テイルズ オブ」のようにカメラが半分はんぶん固定こていでフィックスしている場合ばあいは、「えないところはどこまでつくるの?」、「どこまであるかせるの?」というその見極みきわめがすごくむずかしいというか、れていません。指定していしないでおくと、つくしゅ際限さいげんなくつくんでしまう。それはそれで結果けっかになることがおおいですが、納期のうきおそくなってしまう。「このくらいまでつくればいいですよ」という判断はんだんがすごくむずかしいんです。キャラにかんしても、表情ひょうじょうしかりモーションしかり「どこまでつくりこめばいいんだろう?」というディレクション基準きじゅんがまだとらえづらいですね。

――グラフィックスがシェーダーベースになったことで、映像えいぞうめんにも変化へんかがあったのではないかとおもいますが?

樋口ひぐち ハードウェアでいろいろといじれる部分ぶぶんおおくて、Xbox 360にかんしてはもともと用意よういされている機能きのう使つか勝手がってがよかったりします。ですので、やっていること自体じたいはシンプルというかんじです。

――きゅう世代せだいのころはメモリとの格闘かくとうだったとおもいますが、「TOV」ではメモリの問題もんだい解消かいしょうされましたか?

樋口ひぐち 「TOA」はRenderWare(レンダーウェア)というソフトウェアでやっていたので、一定いっていのクオリティが保障ほしょうされているわりに、メモリについては色々いろいろ制約せいやくがありました。「TOV」にかんしてはライブラリも全部ぜんぶオリジナルソフトウェアなので、Xbox 360のランチャー部分ぶぶん以外いがいはメモリをほぼ全部ぜんぶ使つかえるということで、メモリにかんしてはらくめんおおかったです。ただ、のレベルの向上こうじょうともない、瞬間しゅんかんてきあつか容量ようりょう当然とうぜんおおきくなり、いちあつかうデータの転送てんそうりょうおおくなります。「ロードながいじゃん。結局けっきょくきゅう世代せだいわんないじゃん」ってわれないように、時間じかんながくならないように配慮はいりょしました。

――現行げんこうのゲームはローディングがながいものもありますよね。ロード画面がめんさなくては、というかんじで(笑)。そのへんはきゅう世代せだい時代じだいわっているのですね。

樋口ひぐち 「TOV」はロードがはやいんですけど、Xbox 360のHDDキャッシュ機能きのう使つかうことで、よりスムーズにあそべますよ。

――けっこうちがいますか?

樋口ひぐち 効果こうかがありますね、あれはプログラムが元々もともとあって「キャッシュを使つかいますよ」という機能きのうをONにするだけなので、すごくらくつくれますね。あの機能きのうきゅう世代せだいでやろうとすると、そのためのプログラムを用意よういしないといけないので大変たいへんです。そういうめんも、Xbox 360というハードはつくりやすいですよ。

――Xbox 360というハードをえらんでよかった、というかんじですね。Xbox 360で開発かいはつされたほうはなしうかがうと、くちをそろえて「つくりやすい」といますね。

樋口ひぐち 真理しんりでしょうね。つくりやすいということはスケジュールが短縮たんしゅくできるわけで、その余力よりょくをゲームデザインにまわすことができる。ということは、お客様きゃくさまにとっても、しつめんでプラスになるわけです。あまり「つくりやすい」と連呼れんこするとぼくらがらくをしているとおもわれそう(笑)。プログラマーはいつの時代じだいいてますよ、ということですね。


■ Xbox LIVEで、「テイルズ オブ」をまもりつつ革新かくしんする

――Xbox LIVEでは、どんなことをやるのでしょう?

樋口ひぐち 本当ほんとうはオンライン対戦たいせんやりたかったんですけどね(笑)。時間じかんてきにその余裕よゆうがなかったので断念だんねんしました。Xbox LIVEの仕様しようとしてわかりやすいのは「実績じっせき」ですね。もともと「テイルズ オブ」はやりこみてき実績じっせき機能きのうとリンクしているところがありますから。あとはダウンロードコンテンツ(以下いか、DLC)とランキングがXbox LIVEの3つのはしらになりますね。

郷田ごうだ 実績じっせき解除かいじょは、モチベーションの刺激しげきになる素晴すばらしい仕掛しかけだとおもいます。これだけでXbox 360はいいハードだとおもいますよ、つくしゅにとってもお客様きゃくさまにとっても。それをつたえたくて、なんとか頑張がんばっちゃってるところはありますよ、個人こじんてきに(笑)。

樋口ひぐち Xbox LIVEは初代しょだいからよかったよね。

郷田ごうだ ランキングは、「TOA」のときのモバイル連動れんどうのようではなく、Xbox LIVEというネットワーク機能きのうはじめから内蔵ないぞうされていますからね。ワールドワイドなランキングで、世界せかいの「テイルズ オブ」ユーザーとくらべることができる。DLCにかんしては、「テイルズ オブ」というコンテンツでなにをやったらいいか、ぼく自身じしんがXbox 360のユーザーなので、お客様きゃくさまなにもとめられているのかをかんがえることからはじめました。そこで、アイテムや武器ぶきのダウンロード販売はんばいのようなコンテンツにきました。たとえば、週末しゅうまつしかプレイできないひとのために、本来ほんらいなんじゅうあいだもかけないと入手にゅうしゅできないアイテムや武器ぶきをダウンロード販売はんばいしても、選択肢せんたくしとしてあるぶんにはお客様きゃくさまは「イヤ」とはわないとおもいます。ゲームない頑張がんばればかならはいるものだけをるつもりです。

――つまり、DLC専用せんようアイテムといった要素ようそはないわけですね?

郷田ごうだ はい。ネットワークを使つかうお客様きゃくさまはどういうそうなのか、そのひとたちにけてどういうものを提供ていきょうするかというコンセプトでやっています。「アイドルマスター」とおなじことやるんじゃないの、なんてわれることもありますが、お客様きゃくさまそうちがいますから、「アイドルマスター」のDLCとおなじビジネススキームがてはまるかというと、そうではないとおもいます。じつはいろいろできるようにはつくってありますが、やるべきではない、としててていきました。「テイルズ オブ」ではパッケージのなかものをひたすらオープンにしていくというあそかたを12ねんもしてきたわけですから。

樋口ひぐち ひたすらやりこんでいくことがコンセプトのゲームに、そういう追加ついかぶつもとめられていないはずです。ぎゃくに、MMORPGをオフラインにしたようなコンセプトであれば、DLCでのクエスト追加ついかなどはあってしかるべきだとおもうんです。でも、「テイルズ オブ」はそうではない。冒頭ぼうとうべたように、物語ものがたりたてげる構造こうぞうですから。どこにもれるところがないです。

郷田ごうだ DLCをどうするか、というはなしときがちょうど「アイドルマスター」のDLCが最高潮さいこうちょうときでしたね。社内しゃないからも「やらないの? 当然とうぜんやるんでしょ?」みたいなふうによくかれました。でも、うちはそうではなくて(笑)。ゲームのなか入手にゅうしゅできるものを、先行せんこう入手にゅうしゅできるような、そんなあたらしいことをやります、と説明せつめいすると「そんなのいたことねーよ」みたいなリアクションをされましたね。ぼくたちとしては、ぎゃくなんいままでやらなかったのか、とおもいます。「テイルズ オブ」の正当せいとう進化しんか作品さくひんですが、革新かくしんてきなこともちいさく、いくつかやっています。まもりつつの挑戦ちょうせんですね。

樋口ひぐち DLCは反応はんのうたのしみだよね。

郷田ごうだ 頑張がんばればかならずゲームないはいるものですので、一切いっさい必要ひつようはないです。ただ、時間じかん短縮たんしゅくになるというか、衣装いしょうえたい、称号しょうごうれたい、おかねはらってもらえればはやはいる。

――海外かいがいのゲームのかんがかたちかいですね、チートコードが用意よういされているような。

郷田ごうだ まんにんひとしく享受きょうじゅされるべきであるというかんがかたですね。たとえば、エンディングはうでがあるひとひともエンディングがみられるようであるべきだ、というように。もちろん、時間じかんけて頑張がんばったひとうでのあるひと差別さべつするつもりではあります。仮定かていですが、DLCでエンディングを購入こうにゅうしても実績じっせき解除かいじょされないなどのペナルティはあるとおもいますよ。

――料理りょうりのランキングとかってどうですか?

樋口ひぐち どうやるんですか(笑)。それはかんがえてないですけど、つくったかずとかきそうのですかね? 戦闘せんとうをこなさないと料理りょうりつくれませんから……地獄じごくですね(笑)。「テイルズ オブ」でよく料理りょうりのことはわれますけど、「テイルズ オブ」といえば料理りょうりというイメージがあるのでしょうね。

――どのメニューをなんかいつくったかとか。意外いがい面白おもしろそうなんだけどなー。無責任むせきにんですが(笑)。

後編こうへんにつづく)



(C)藤島ふじしまやすしかい
(C)2008 NBGI

□バンダイナムコゲームスのホームページ
http://www.bandainamcogames.co.jp/
□テイルズチャンネルのページ
http://namco-ch.net/taleschannel/
□「テイルズ オブ ヴェスペリア」公式こうしきサイト
http://namco-ch.net/talesofvesperia/
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PSP「テイルズ オブ デスティニー2」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070215/tod2.htm

(2008ねん4がつ14にち)

[Reported by 福田ふくだしがらみ太郎たろう/佐伯さえき憲司けんじ]



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