リオ五輪ごりんの男子だんしマラソン金きんメダリストで、世界せかい歴代れきだい3位いとなる2時じ間あいだ3分ふん5秒びょうの記録きろくを持もつエリウド・キプチョゲ（32 、ケニア）が非ひ公認こうにんレースで2時じ間あいだ0分ふん25秒びょうの“世界せかい最高さいこう記録きろく”でゴールした。非ひ公認こうにんレースのため公式こうしき記録きろくにはならないが、2014年ねんにデニス・キメット（32、ケニア）がベルリンで記録きろくした世界せかい記録きろくの2時じ間あいだ2分ふん57秒びょうを上回うわまわった。

　今回こんかいの非ひ公認こうにんレースは、スポーツ用品ようひんメーカーのナイキのプロジェクトとして行おこなわれたもの。ナイキのホームページによると、フルマラソンでの2時じ間あいだ切ぎりを目指めざす、「ザ・ブレーキング2」というプロジェクトで、イタリア、モンツァのF1レースコースを使つかい制御せいぎょされた環境かんきょうで“実験じっけん”が行おこなわれた。

　ニューヨークタイムズ紙しは、「エリウド・キプチョゲはナイキのスペシャルシューズを履はいて、世界せかい最速さいそくでマラソンを走はしった」という見出みだしと共ともに、賛否さんぴ両論りょうろんの声こえがあることを報ほうじた。

　キプチョゲの他ほかに、ハーフマラソンの世界せかい記録きろく保持ほじ者しゃ、ゼルセナイ・タデッセ（エリトリア）、ボストンマラソンで2度ど優勝ゆうしょうしているレリサ・デシサ（エチオピア）も参加さんかした。

　ナイキが企画きかくしたレースには記録きろくを出だすための条件じょうけんが整ととのえられていた。

　同紙どうしは「イタリアの朝あさ5時じ45分ふんから開始かいしされ、2.4キロメートルのF1のレースコースを17.5周しゅうした。ナイキは涼すずしい気温きおんのコースを選えらび、木々きぎが風ふうを防ふせぎ、アスファルトで舗装ほそうされたコースで、鋭するどい曲まがり角かどが少すくない。水蒸気すいじょうき圧あつが選手せんしゅの体からだを冷ひやすことを助たすけた」と解説かいせつ。

　さらに「30人にんのペースメーカーのグループがぺースカーの後うしろで三角形さんかっけいを作つくっており、風かぜを防ふせいだ。液体えきたいの補給ほきゅうは、ランナーが立たち止どまらなくてもよいように自転車じてんしゃに乗のった人ひとが提供ていきょうした」ことも付つけ加くわえた。

　また同紙どうしは、「ランナーたちはカーボンファイバーで作つくられた特注とくちゅうの軽量けいりょうシューズを履はいていて、このカーボンファイバーは一部いちぶの科学かがく者しゃから、バネの役割やくわりをするため、ランナーに不公平ふこうへいな有利ゆうりさを与あたえると指摘してきされてる」とナイキの特殊とくしゅシューズについても触ふれている。

　国際こくさい陸上りくじょう競技きょうぎ連盟れんめいの規則きそくでは、シューズに関かんしては曖昧あいまいなところがあり「ナイキはシューズは（規定きていに）適合てきごうしているとし、このシューズによって走はしるのに必要ひつようとするエネルギー消費しょうひを4％減少げんしょうさせることができ、スピードを与あたえ、疲労ひろうを軽減けいげんに役立やくだつとしている」と、効果こうかを伝つたえた。