EU一般いっぱんデータ保護ほご規則きそく / GDPR

フランスのデータ保護ほご当局とうきょくが、EUの一般いっぱんデータ保護ほご規則きそく（GDPR）への違反いはんがあったとしてグーグルに5,000万まんユーロ（約やく62億おく円えん）の制裁せいさい金きんを科かすことを明あきらかにした。個人こじんデータ収集しゅうしゅうの同意どういに“不備ふび”があったというが、そもそもGDPRには不明瞭ふめいりょうな部分ぶぶんも多おおい。今回こんかいの一いち件けんを通つうじて、個人こじんデータの収集しゅうしゅうとテック企業きぎょうのビジネスにまつわる課題かだいが浮うき彫ぼりになってきた。

Facebookユーザーのうち最大さいだい680万まん人にんの写真しゃしんデータが、バグによって外部がいぶの開発かいはつ者しゃが閲覧えつらんできてしまう状態じょうたいになっていたことが明あきらかになった。フェイスブックは対策たいさくを進すすめているが、まだ不ふ明確めいかくな点てんもおおい。2018年ねんも終おわりに近ちかづいたいま、同社どうしゃは度重たびかさなる情報じょうほう流出りゅうしゅつに終止符しゅうしふを打うてるのか。

メディア美学びがく者しゃ・武たけ邑光裕ひろしが、ベルリンから生うまれた新あらたな文化ぶんかをまとめ上あげた新著しんちょ『ベルリン・都市とし・未来みらい』を上梓じょうしした。1960年代ねんだいのカウンターカルチャーは、なぜ「シリコンヴァレー」と「ベルリン」というまったく異ことなるふたつの文化ぶんかをつくり上あげたのか？ 同書どうしょの刊行かんこうに合あわせて実施じっしした『WIRED』日本にっぽん版ばん編集へんしゅう長ちょうの松島まつしま倫明みちあきとの対談たいだんからは、「ポストシリコンヴァレー」の新あらたな世界せかいの姿すがたが見みえてきた。

かつての冷戦れいせんと同おなじような対立たいりつが、今度こんどは「データ」をめぐって起おきている──。かたや巨大きょだい企業きぎょうが個人こじん情報じょうほうを現代げんだいの通貨つうかとして取引とりひきしている米国べいこく、そして対たいするEUは一般いっぱんデータ保護ほご規則きそく（GDPR）の施行しこうによって「個人こじん情報じょうほうを人々ひとびとの手てに取とり戻もどす」ことを目指めざす。この「新しん時代じだいの冷戦れいせん」は、今度こんどどう展開てんかいしていくのか。セキュリティ専門せんもん家かによる寄稿きこう。

欧州おうしゅう議会ぎかいがデジタル著作ちょさく権けんをめぐる新あたらしいルールづくりに乗のりだし、法ほうの改正かいせい案あんを委員いいん会かいで可決かけつした。EU加盟かめい国こくで法制ほうせい化かされれば、ウェブサイトやアプリなどに著作ちょさく権けん侵害しんがいのチェック機能きのうが求もとめられるほか、ニュース記事きじの一部いちぶを掲載けいさいしてリンクを貼はる行為こういに対たいする「リンク税ぜい」のような費用ひようも発生はっせいする。具体ぐたい的てきな法律ほうりつや運用うんよう方法ほうほうが不透明ふとうめいで課題かだいも山積さんせきするなか、果はたしてどこまで実効じっこう性せいがあると言いえるのか。

GDPRはEU市民しみんのプライヴァシーを起点きてんに、アルゴリズムの「指揮しき系統けいとう」はもとより、西洋せいようと東洋とうよう、そしてデジタルスフィアの「三さん体たい世界せかい」に影響えいきょうを及およぼす。その先さきには当然とうぜん、人工じんこう知能ちのう（AI）の「プライヴァシー」は保護ほごされるのかという難問なんもんが待まち構かまえている。

欧州おうしゅうで施行しこうされた「一般いっぱんデータ保護ほご規制きせい（GDPR）」は、16歳さい未満みまんのティーンエージャーに予期よきせぬ影響えいきょうを与あたえるかもしれない。GDPR施行しこう後ごは個人こじん情報じょうほうの提供ていきょうに親おやの同意どういが必要ひつようなため、その悪用あくようから若者わかものを守まもることが期待きたいされる。一方いっぽうで、思春期ししゅんきだからこそ必要ひつような教育きょういく的てきな情報じょうほうに、アクセスしにくくなる可能かのう性せいがあるというのだ。

2018年ねん5月がつ25日にちに全面ぜんめん施行しこうされたGDPRの背後はいごでは、EUと米べいIT企業きぎょうによる「新あらたな冷戦れいせん」が繰くり広ひろげられている。個人こじん情報じょうほうを巡めぐるこの戦争せんそうのなかで、世界せかいの企業きぎょうはいま何なにをすべきなのか。ただ指ゆびをくわえて戦争せんそうの行方ゆくえを見守みまもるのではなく、いまこそ企業きぎょうはデータ経済けいざいとの向むき合あい方かたを根本こんぽんから見直みなおし、対策たいさくをとらねばならない。

欧州おうしゅうで5月がつ25日にちに施行しこうされた「一般いっぱんデータ保護ほご規則きそく（GDPR）」は、消費しょうひ者しゃがもつ情報じょうほうに関かんする権利けんりを自みずからの手てに取とり戻もどす一方いっぽうで、企業きぎょうには大おおきな変革へんかくを促うながす。これによって経済けいざい活動かつどうからマーケティング、消費しょうひ行動こうどうまで、多岐たきにわたって変化へんかが迫せまられることになる。

欧州おうしゅう連合れんごう（EU）が2018年ねん5月がつ25日にちに施行しこうした「一般いっぱんデータ保護ほご規則きそく（GDPR）」。インターネットを「リセット」するといわれるGDPRは、いったいどんな経緯けいいで生うまれ、どんな意味いみをもつのか。「WIRED.jp」で「GDPR：データとインターネット〜EUが描えがく未来みらい」を好評こうひょう連載れんさい中ちゅうのメディア美学びがく者しゃ・武たけ邑光裕ひろしが、GDPRが何なにをもたらすのかを読よみ解とく。

データ流出りゅうしゅつ問題もんだいの渦中かちゅうにあるフェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグが、欧州おうしゅう議会ぎかいで公聴こうちょう会かいに出席しゅっせきした。多岐たきにわたる質問しつもんに「ゼロ回かい答こたえ」で通とおした彼かれは、議員ぎいんたちを怒おこらせ、さらなる不信ふしん感かんを植うえ付つける結果けっかになった。欧州おうしゅうで「一般いっぱんデータ保護ほご規則きそく（GDPR）」が5月25日にちに施行しこうされる直前ちょくぜんに交かわされた一連いちれんのやり取とりからは、フェイスブックの戦略せんりゃくや欧州おうしゅう規制きせい当局とうきょくの姿勢しせいが浮うき彫ぼりになってくる。

間まもなく適用てきよう開始かいしされる欧州おうしゅうのデータ保護ほご規則きそく「GDPR」によって、個人こじん情報じょうほうの扱あつかいがこれまで以上いじょうに厳格げんかくに規制きせいされることになる。ところが、なんだか様子ようすがおかしい。グーグルとフェイスブックは、あの手てこの手てを使つかってGDPRの可能かのう性せいを“潰つぶせそう”としているようなのだ。