人工じんこう衛星えいせい / Satellite

地球ちきゅうを周回しゅうかいする多数たすうの小型こがた衛星えいせいによるコンステレーションが、さまざまな分野ぶんやで活用かつようされている。スターリンクなどの衛星えいせいインターネット網もうに加くわえて、違法いほうな漁業ぎょぎょう活動かつどうや伐採ばっさいの追跡ついせき、ロシアによる「遺跡いせきの破壊はかい」の発見はっけんなどにも応用おうようされ始はじめた。

国連こくれんで宇宙うちゅうの安全あんぜん保障ほしょうに関かんするルールを策定さくていする2回かい目めの議論ぎろんが進行しんこうしている。衛星えいせい攻撃こうげき兵器へいきの実験じっけん停止ていしが日本にっぽんとドイツから表明ひょうめいされ、衛星えいせいへの攻撃こうげきに関かんする規範きはんが設もうけられつつあるなか、宇宙うちゅうの平和へいわを守まもるルールがいかにつくられるのか注目ちゅうもくされている。

ロシアの国営こくえい宇宙うちゅう企業きぎょうロスコスモスが、国際こくさい宇宙うちゅうステーション（ISS）の運営うんえいから早はやければ2年ねん後ごに撤退てったいすると発表はっぴょうした。ロシアによるウクライナ侵攻しんこうにより国際こくさい的てきな緊張きんちょうが宇宙うちゅうにも波及はきゅうするなか、ISSが架かけ橋はしとなり築きずかれた国際こくさい間あいだの協力きょうりょく関係かんけいが終おわりを迎むかえる懸念けねんが高たかまっている。

熱帯ねったい雨林うりんの過剰かじょう伐採ばっさいや違法いほうな漁業ぎょぎょうを防ふせいだり、生物せいぶつ多様たよう性せいを守まもるといった重要じゅうような社会しゃかい課題かだいの解決かいけつに取とり組くむ上じょうで、いまや衛星えいせい画像がぞうとAIは欠かかせなくなってきている。一方いっぽうでこうした技術ぎじゅつを最大限さいだいげんに生いかすには、民間みんかん組織そしきと政府せいふ機関きかんとの協力きょうりょくが欠かかせないと専門せんもん家かは指摘してきする。

アジア最大さいだい級きゅうの宇宙うちゅうビジネスカンファレンス 「SPACETIDE 2022」が、2022年ねん7月がつ19日にち〜21日にちの3日間にちかんにわたり開催かいさいされる。7回かい目めとなる今回こんかいはリアルとオンラインのハイブリッド開催かいさいとなり、世界せかいや日本にっぽんの宇宙うちゅうビジネスを牽引けんいんするスピーカーたちが登壇とうだん。宇宙うちゅうビジネスがわたしたちの生活せいかつや社会しゃかい、文化ぶんか、未来みらいにもたらす価値かちを議論ぎろんする。

人工じんこう衛星えいせいは外部がいぶからハッキングされやすい状態じょうたいにあることが、このほどセキュリティ研究けんきゅう者しゃらの“実験じっけん”によって明あきらかになった。役割やくわりを終おえて放置ほうちされた人工じんこう衛星えいせいを乗のっ取とればテレビなどの放送ほうそうも可能かのうで、プロパガンダに悪用あくようされる危険きけん性せいも指摘してきされている。

ロシアの侵攻しんこうを受うけているウクライナにとって、ロシア軍ぐんの動うごきを知しる上じょうで衛星えいせいからのデータの価値かちが高たかまっている。だが、これにより民間みんかんの衛星えいせい企業きぎょうや衛星えいせいそのものが狙ねらわれたりするリスクや、その影響えいきょう力りょくが強つよまることへの懸念けねんも指摘してきされている。

数すう千せん機きもの小型こがた衛星えいせいを宇宙うちゅうに打うち上あげて衛星えいせいインターネット接続せつぞくを提供ていきょうする衛星えいせいコンステレーションの計画けいかくが進すすめられる一方いっぽうで、衛星えいせいが発はっする光ひかりや電波でんぱが天体てんたい観測かんそくの妨さまたげになる可能かのう性せいが指摘してきされている。こうした問題もんだいに対処たいしょすべく、世界中せかいじゅうの天文学てんもんがく者しゃたちが新あらたな機関きかんを立たち上あげた。

この世よの中なかを変かえていくために、常識じょうしきを疑うたがい、道みちなき道みちを切きり拓ひらき、誰だれも想像そうぞうしなかった未来みらいをつくるべく挑戦ちょうせんし続つづける人々ひとびとがいる。そのエネルギーの源泉げんせんに迫せまる新しん連載れんさい「The Next Innovators」の第だい1回かいは、地球ちきゅう全体ぜんたいのデジタルツイン化かに挑いどむスペースデータ代表だいひょうの佐藤さとう航わたる陽ひ。衛星えいせいデータを用もちいてバーチャル空間くうかんを自動じどう生成せいせいし、コモンズとしてのメタバースをつくるという挑戦ちょうせんに迫せまった。

西にしアフリカの国くに・ベナンでは、湖面こめんにはびこる水草みずくさに対処たいしょするために衛星えいせいデータを活用かつようする試こころみが始はじまっている。このプロジェクトを支ささえるのは、発展はってん途上とじょう国こくが衛星えいせいデータを活用かつようしやすくすることを目指めざす米べい航空こうくう宇宙うちゅう局きょく（NASA）のプログラムだ。

日照ひでり条件じょうけんに左右さゆうされない地球ちきゅう観測かんそく衛星えいせいとして注目ちゅうもくされる合成ごうせい開口かいこうレーダー（SAR）衛星えいせい。民間みんかんでこの分野ぶんやをリードしているのが、フィンランド発はつのICEYE（アイサイ）だ。そんな同社どうしゃは、データ販売はんばいを主おもな業務ぎょうむとしていたこれまでの衛星えいせいヴェンチャーのあり方かたを見直みなおし、プラットフォーマーへの進化しんかを遂とげようとしている。

地球ちきゅうの周回しゅうかい軌道きどう上じょうには、ロケットから切きり離はなされた積載せきさい物ぶつや廃棄はいきされた使用しよう済ずみロケットの機体きたいなどの“宇宙うちゅうごみ”が大量たいりょうに漂ただよっている。日本にっぽんのアストロスケールを皮切かわきりに動うごき始はじめた宇宙うちゅうごみの回収かいしゅうプロジェクトは、加速かそくする宇宙うちゅう開発かいはつや衛星えいせい事業じぎょうなどにとっての脅威きょういを減へらすことが期待きたいされている。