EU首脳しゅのう会議かいぎ、移民いみん問題もんだいで合意ごうい　議論ぎろんは10時じ間近まぢかくに

リビアを出港して欧州を目指す移民たちが主にたどり着く場所がイタリアだ。写真は今月13日にイタリア・シチリア島のカターニアに上陸した移民たち — 画像がぞう説明せつめい, リビアを出港しゅっこうして欧州おうしゅうを目指めざす移民いみんたちが主おもにたどり着つく場所ばしょがイタリアだ。写真しゃしんは今月こんげつ13日にちにイタリア・シチリア島とうのカターニアに上陸じょうりくした移民いみんたち

2018年ねん6月がつ29日にち

欧州おうしゅう連合れんごうのドナルド・トゥスク大統領だいとうりょう（欧州おうしゅう理事りじ会かい常任じょうにん議長ぎちょう）は29日にち、EU首脳しゅのう会議かいぎが移民いみん問題もんだいで合意ごういに達たっしたと明あきらかにした。

ブリュッセルで28日にちから開ひらかれていた首脳しゅのう会議かいぎでの議論ぎろんは10時じ間近まぢかくにおよび、29日にち未明みめいまで続つづいた。

合意ごうい文書ぶんしょによると、EU加盟かめい各国かっこくが自主じしゅ的てきに新あらたな移民いみん施設しせつを設置せっちすることで合意ごういした。施設しせつでは、移民いみんを純粋じゅんすいな難民なんみんなのか「送還そうかんされる不規則ふきそく的てきな移民いみん」なのか判断はんだんされるとしている。

トゥスク大統領だいとうりょうは29日にち朝あさのツイートで、移民いみん問題もんだいを含ふくめ共同きょうどう声明せいめいがまとまったと述のべた。

イタリアのジュゼッペ・コンテ首相しゅしょうは、「このEU首脳しゅのう会議かいぎのあと、欧州おうしゅうの責任せきにん感かんは増まし、連帯れんたいが強つよまる」と話はなした。

「きょう、イタリアは独ひとりではなくなった」

一方いっぽう、ドイツのアンゲラ・メルケル首相しゅしょうは、合意ごういに至いたらなかった部分ぶぶんを解決かいけつするため、なおすべきことが残のこっていると話はなした。

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何なにが決きまったのか

自主じしゅ的てきな移民いみん施設しせつ設置せっち以外いがいに、EU加盟かめい国こく首脳しゅのうが合意ごういした内容ないようは以下いかのとおり。

EU域外いきがいとの国境こっきょうの管理かんり強化きょうかや、トルコおよびモロッコなどの北きたアフリカ諸国しょこくへの金融きんゆう支援しえん拡大かくだい
密入国みつにゅうこくの斡旋あっせん（あっせん）を行おこなうギャングを壊滅かいめつされるため、EU域外いきがいで難民なんみんや移民いみんを審査しんさする「地域ちいき下船げせんプラットフォーム」の可能かのう性せい模索もさく。ただ、北きたアフリカにこうした施設しせつを置おくことは難むずかしく、モロッコはすでにこの提案ていあんを拒否きょひしている
EU域内いきないでの移民いみんの移動いどう制限せいげん。合意ごういでは、この移動いどうが亡命ぼうめい政策せいさくやシェンゲン条約じょうやくを疎外そがいしていると説明せつめいしている
アフリカ大陸たいりくが「大おおきな社会しゃかい的てき・経済けいざい的てき変革へんかく」を遂とげ、人々ひとびとがより良よい生活せいかつのために国くにを離はなれることがないよう支援しえんするための投資とうし拡大かくだい
亡命ぼうめい申請しんせいは最初さいしょにたどり着ついたEU加盟かめい国こくで取とり扱あつかうという「ダブリン規約きやく」を含ふくむ、EUの亡命ぼうめい政策せいさくの改革かいかくへの取とり組くみ

リビアからやってくる移民への対応にEUは今も苦慮している — 画像がぞう説明せつめい, リビアからやってくる移民いみんへの対応たいおうにEUは今いまも苦慮くりょしている

長時間ちょうじかんにわたった議論ぎろんの後のち、フランスのエマニュエル・マクロン大統領だいとうりょうは「欧州おうしゅうの協力きょうりょくがこれを可能かのうにした」と語かたった。

コンテ伊い首相しゅしょうは首脳しゅのう会議かいぎで、移民いみん問題もんだいで合意ごういできなければ共同きょうどう声明せいめいを拒否きょひすると、異例いれいの姿勢しせいを示しめした。イタリアのほかギリシャも移民いみんへの対応たいおうで加盟かめい国こくの公平こうへいな分担ぶんたんを求もとめている。

メルケル独どく首相しゅしょうはこれに先立さきだち、移民いみん問題もんだいがEUにとって非常ひじょうに重要じゅうような局面きょくめんになる可能かのう性せいがあると語かたっていた。

メルケル首相しゅしょうはドイツで、別べつの国くにですでに移民いみんとして登録とうろくした人々ひとびとがドイツに流入りゅうにゅうするのを防ふせぐ合意ごういを得えるよう求もとめる声こえに直面ちょくめんしていた。

ドイツ南部なんぶバイエルン州しゅうの党とうでメルケル政権せいけんの連立れんりつ相手あいて、キリスト教きょう社会しゃかい同盟どうめい（CSU）に所属しょぞくするホルスト・ゼーホーファー内相ないしょうは今週こんしゅう末まつを期限きげんとし、移民いみん対策たいさくで合意ごういがまとまらなければ、バイエルン州しゅうで移民いみん送還そうかんを始はじめると表明ひょうめいしていた。

ゼーホーファー内相は、メルケル首相が早急に解決策を見出さなければ独自に対応すると主張した — 画像がぞう説明せつめい, ゼーホーファー内相ないしょうは、メルケル首相しゅしょうが早急そうきゅうに解決かいけつ策さくを見出みいださなければ独自どくじに対応たいおうすると主張しゅちょうした

CSUが連立れんりつを離脱りだつすれば、メルケル政権せいけんは議会ぎかいで少数しょうすう派はに転落てんらくする。

移民いみんの流入りゅうにゅうには、シリア内戦ないせんなどの戦闘せんとうを逃のがれ、安全あんぜんな居住きょじゅう地ちを求もとめてやってきた難民なんみんも含ふくむ。

ギリシャの島々しまじまで多数たすうの難民なんみんが押おし寄よせた2015年ねんの難民なんみん危機きき当時とうじと比較ひかくすれば、状況じょうきょうは落おち着ついている。欧州おうしゅう評議ひょうぎ会かいによると、EUに非合法ひごうほう的てきに入はいった移民いみんの数かずは、ピークに達たっした2015年ねん10月がつと比くらべて96％減少げんしょうしたという。

しかし、今月こんげつにはイタリアが移民いみんを乗のせた船ふねの入港にゅうこうを拒否きょひし、移民いみん問題もんだいが再ふたたび強つよい関心かんしんを呼よぶ結果けっかとなっている。

最近さいきんの例れいでは、ドイツのNGOが運営うんえいする船ふね「ライフライン」が入港にゅうこう先さきを探さがしていたが、EU各国かっこく間あいだの激はげしい外交がいこう交渉こうしょうの末すえ、マルタで停泊ていはくが許可きょかされた。各国かっこくは乗船じょうせんしている移民いみんをそれぞれ受うけ入いれることに同意どういした。マルタによると、ノルウェーがライフラインの乗船じょうせん者しゃの一部いちぶを受うけ入はいると表明ひょうめいした。