古志家文書(市指定文化財)
鎌倉時代から戦国時代にかけて、出雲国神門郡古志郷(現・出雲市古志町・下古志町)を本拠とした国人領主・古志氏に関する古文書です。
この古志家文書は、元は千葉県在住の古志氏末裔の方が所蔵されていました。しかし、古文書を古志氏縁りの地で役立ててほしいとの所蔵者様のお考えと、地元の歴史同好会・古志史探会の皆様のご努力により、平成11年(1999)出雲市に寄贈していただきました。そこで、出雲市では翌12年に市指定文化財とし、保護をはかりました。
系図によると古志氏の祖・義信は、出雲塩冶氏の祖・佐々木頼泰の弟であるとされます。おそらく古志氏は、1280年代頃に成立したようです。以来300年近く、歴代の当主は、京極氏や尼子氏などの領主権力や杵築大社(出雲大社)などと密接な関係を結び、出雲国の歴史に重要な役割を果たしました。
しかし永禄5年(1562)、毛利氏の出雲侵攻によって本拠である古志郷を失うこととなります。その後、古志氏は毛利方に転じ、軍事面や政治面で活躍しました。そして、天正年間末頃(16世紀末)に備後国に知行替えされると、出雲国との関係は断たれました。
古志家文書は、明徳2年(1392)から慶長2年(1597)までの11通からなり、特に古志氏の戦場での活躍がうかがえる書状は貴重なものです。また、いずれも保存状態が良く、書かれた当時のままの姿で現在に伝えられた点でも価値があります。
目録は こちら
(天正8年・1580)5月19日 山名氏政感状
(天文11年・1542)5月4日 大内義隆書状