加田屋かたや文書ぶんしょ

加田屋かたや文書ぶんしょ（かだやもんじょ）

　江戸えど時代じだい、船ふねの寄港きこう地ちとして栄さかえた出雲いずも国こく神門ごうど郡ぐん鷺浦さぎうら（かんどぐんさぎうら）（現げん・出雲いずも市し大社たいしゃ町まち鷺浦さぎうら）で、船問屋ふなどんやを営いとなんでいた加田屋かたや（加地かじ家か）に伝来でんらいした史料しりょう群ぐんです。
　平成へいせい14年ねん（2002）、『大社たいしゃ町まち史し』編纂へんさんに関かんする調査ちょうさで発見はっけんされ、平成へいせい22年ねん（2010）に出雲いずも市しへ寄贈きぞうしていただきました。
　家伝かでんによると加田屋かたやは、18世紀せいき中頃なかごろまでに本家ほんけ・播磨屋はりまやから分家ぶんけして成立せいりつし、当初とうしょの屋号やごうは豆腐とうふ屋やだったといいます。
　史料しりょうは、鷺浦さぎうらに入港にゅうこうした船籍せんせき、船頭せんどう、積荷つみになどを記録きろくした、いわゆる「船ふね御ご改あらため扣帳」（ふねおあらためひかえちょう）70点てんです（断簡だんかん含ふくむ）。享とおる保ほ12年ねん（1727）から文化ぶんか15年ねん（1818）までのものが残のこり、主おもに1年ねん分ぶんが1冊さつとして記録きろくされています。加田屋かたや文書ぶんしょは特とくに、18世紀せいき前半ぜんはんの鷺浦さぎうらの入船いりふね状況じょうきょうが把握はあくできる点てんに特徴とくちょうがあり、この点てんを分析ぶんせきした研究けんきゅうとして、藪やぶ田貫たぬき・妻夫木つまぶき宣せん嗣編『フィールドワーク報告ほうこく書しょ 鷺浦さぎうら』（2011年ねん、出雲いずも中央ちゅうおう図書館としょかんなどに所蔵しょぞう）があります。

　
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天明てんめい７年ねん（1787）「船ふね御ご改あらため扣帳」表紙ひょうし

天明てんめい７年ねん（1787）「船ふね御ご改あらため扣帳」本文ほんぶん