ミヤコタナゴ

　ミヤコタナゴは、コイ科かに属ぞくする日本にっぽん特産とくさんの淡水魚たんすいぎょです。明治めいじ42年ねん（1909年ねん）に東京とうきょうで発見はっけんされたためミヤコタナゴと命名めいめいされました。関東かんとう地方ちほうの丘陵きゅうりょう部ぶや、平野ひらの部ぶの湧わき水みずを水源すいげんとする、田たんぼの用水路ようすいろやため池いけなどに生息せいそくしていて、卵たまごはマツカサガイなどの二枚貝にまいがいに生うみ付つけるのが特徴とくちょうです。
　繁殖はんしょく期きの4月がつから7月がつごろになると、オスの体からだは「婚姻こんいん色しょく」と呼よばれる淡あわい赤色あかいろや、うすい紫色むらさきいろに美うつくしく彩いろどられます。メスには婚姻こんいん色しょくは現あらわれませんが、お腹なかのところから産卵さんらん管かんと呼よばれる、細長ほそながい管かんが伸のびます。
　所沢ところざわ市内しないでも、狭山丘陵さやまきゅうりょうを水源すいげんとする柳瀬川やなせがわや、田たんぼを流ながれる用水路ようすいろなどに生息せいそくしていましたが、急速きゅうそくな都市とし化かに伴ともなう生息せいそく地ちの宅地たくち化かなどにより、昭和しょうわ50年代ねんだいを最後さいごに自然しぜんの中なかでは見みられなくなりました。
　現在げんざいでは、埋蔵まいぞう文化財ぶんかざい調査ちょうさセンターにおいて、人工じんこう増殖ぞうしょくによる個体こたい数すうの維持いじに努つとめるとともに、市内しない小学校しょうがっこうや市役所しやくしょ1階かい市民しみんホール、所沢ところざわまちづくりセンターなどで飼育しいく展示てんじを行おこなっています。
【指定してい年月日ねんがっぴ】昭和しょうわ49年ねん6月がつ25日にち