太閤たいこうの城しろ

安部あべ龍太郎りゅうたろう

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実みの父ちちである徳川とくがわ家康いえやすに毒殺どくさつされた悲劇ひげきの猛もう将しょう・結城ゆうき秀康ひでやす。その落胤らくいんにして、必殺ひっさつの富田とみた流りゅう残月ざんげつ剣けんの遣つかい手て・結城ゆうき虎とら之の介かいが、自みずからの祖父そふである徳川とくがわ家康いえやすの陰謀いんぼうと刺客しかくに敢然かんぜんと立たち向むかう！――己おのれれのすべてを賭かけて幕府ばくふの圧迫あっぱくに対抗たいこうする豊臣とよとみ秀頼ひでより。そんな秀頼ひでよりを護まもり、父ちちの仇かたきである家康いえやすを打うつべく、死しんだ父ちちの形見かたみである名剣めいけん「鬼おに切きり丸まる」を携たずさえて、ひたすら剣けんの道みちを突つき進すすむ虎とら之の介かい。慶長けいちょう年間ねんかんの活気かっきあふれる大阪おおさかを舞台ぶたいに、二人ふたりの生いき様ざまを迫真はくしんの筆致ひっちで描えがいた、筆者ひっしゃ渾身こんしんの痛快つうかい時代じだい小説しょうせつ。

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