逆ぎゃく神かみ

■内容ないよう紹介しょうかい
幸吉こうきちは呼吸こきゅうが止とまったままこの世よに生せいを受うけた。明治めいじ42年ねん、春はるのことであった。その後ご、世界中せかいじゅうで猛威もういを振ふるったスペイン風邪かぜにより、左足ひだりあしの自由じゆうを失うしなってしまう。そのため就職しゅうしょくもままならず、自暴自棄じぼうじきになり死しに場所ばしょを探さがして御嶽山おんたけさんに入山にゅうざんしたが、なりゆきで滝たき修行しゅぎょうをするはめになる。だが生来せいらいの負まけん気きから修行しゅぎょうに打うち込こみ、神霊しんれいを授さずかり新あたらしい自分じぶんに生うまれ変かわった。山やまで得えた神かみの教おしえを広ひろめようと、幸吉こうきちは布教ふきょう活動かつどうを始はじめるが、太平洋戦争たいへいようせんそうへと向むかうなか人々ひとびとは現世げんせい利益りえきを良いしとし、幸吉こうきちの唱となえる生いき方かた――人間にんげんは皆みな、創造そうぞう神しんの分霊ぶんれいとして生うまれ、それぞれに違ちがう個性こせいを授さずかっている。この個性こせいに気付きづき個性こせいのままに生いきる――に目めを向むける人ひとはいなかった。国家こっか権力けんりょくもあの手てこの手てで弾圧だんあつしてくるが屈くっすることなく、幸吉こうきちは信念しんねんを貫つらぬく決心けっしんをする。それは終おわりなき挑戦ちょうせんであった。宗教しゅうきょうの自由じゆうを唱となえて宗教しゅうきょう界かい民主みんしゅ化か運動うんどうを起おこし、戦後せんごの宗教しゅうきょう法人ほうじん法ほう成立せいりつの陰かげの立役者たてやくしゃともなった青木あおき幸吉こうきちの半生はんせいを綴つづる長編ちょうへん小説しょうせつ。

■著者ちょしゃ紹介しょうかい
青木あおき　正せい敬けい（あおき　まさたか）
1951年ねん、新潟にいがた県けん生うまれ。滝たき打うたれ「健けん魂たましい｣を主宰しゅさい。前人ぜんじん未踏みとうの4000回かいの滝たき打うたれを突破とっぱし、今いまも「前向まえむき・全力ぜんりょく・個性こせい｣をキーワードに修行しゅぎょう中ちゅう。現在げんざい、御嶽みたけ教きょう修正しゅうせい派は管長かんちょう、御嶽みたけ古式こしき登山とざん大だい先達せんだつ、社会しゃかい福祉ふくし法人ほうじん飛翔ひしょう福祉ふくし会かい理事りじ長ちょうを務つとめる。

9784779008672