空海くうかいのこころの原げん風景ふうけい 自身じしんの内うちなる仏ほとけへの旅たび(小学館しょうがくかん101新書しんしょ)

自身じしんの内うちなる仏ほとけへの旅たび

空海くうかい（弘法大師こうぼうだいし）には、不思議ふしぎな魅力みりょくと人気にんきがあります。高野たかの山さんの奥おくの院いんに今いまも生いきているという伝説でんせつにも、四国しこく遍歴へんれきをする人々ひとびとが絶たえないことにも、それは現あらわれています。
そのため「空海くうかい」をテーマにした本ほんは数多かずおおく出版しゅっぱんされていますが、本書ほんしょは新書しんしょの形かたちで、「空海くうかいのこころとは何なにか」を、正面しょうめんからわかりやすく取とり上あげるものです。
京都きょうとに東寺とうじを創建そうけんした空海くうかいは、決けっして都会とかいを避さけているわけではありません。しかし、より純粋じゅんすいな瞑想めいそうと修行しゅぎょうのため、高野たかの山さんに最後さいごの道場どうじょうを求もとめたという点てんでは、最初さいしょの脱だつ都会とかい派は・自然しぜん志向しこうの人ひとであり、また大日如来だいにちにょらい＝太陽たいようにエネルギーの根源こんげんを求もとめたという点てんでは、今日きょうの太陽たいようエネルギーの再さい評価ひょうかなどにも通つうずる展望てんぼうを持もった人ひとでした。また、禅定ぜんじょうの中なかの死しという形かたちで、自みずからの死しを今いまも積極せっきょく活用かつようし続つづけているという点てんでも、まさに今日きょう的てきな人物じんぶつであると言いえるでしょう。
本書ほんしょは、このようなさまざまな場面ばめんに今いまも生いきている空海くうかいの心しんを明あきらかにし、その「こころ」が現在げんざいにおいてもいかに新鮮しんせんであり有用ゆうようであるかを伝つたえるものです。震災しんさい後ごの復興ふっこうを求もとめる日本人にっぽんじんの心しんにも、確たしかな灯ひをともす一いち冊さつ。

・空海くうかいの若わかい時代じだいから晩年ばんねんへと、その足跡あしあとの順じゅんにわかりやすくたどります。
・難むずかしい哲学てつがく的てき、宗教しゅうきょう的てき言葉ことばを極力きょくりょく避さけて、明解めいかいに説とき進すすみます。
・空海くうかい哲学てつがくの核心かくしん＝“即身成仏そくしんじょうぶつ”の意味いみが、この一いち冊さつに要約ようやくされています。

9784098251506