滅ほろびの季き節ぶしに《花はな》と《獣しし》は〈上うえ〉

新しん八角はっかくフライ

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幾多いくたの滅ほろびを乗のり越こえて栄さかえる花はなの街まちスラガヤ。そこで人ひとは等ひとしく奴隷どれいとして生いき、奇蹟きせきの操あやつり手しゅ《大だい獣しし》に仕つかえることが定さだめられていた。街まちにあだなす鋼こうの虫むし――《天子てんし》との戦せんが続つづくある冬ふゆに、その恋こい物語ものがたりは花開はなひらく。人間にんげんを貪むさぼり食くうという伝承でんしょうを持もち、人々ひとびとに畏怖いふされながら郊外こうがいの廃墟はいきょに居きょを構かまえる美うつくしき大だい獣しし、《貪食どんしょくの君きみ》。全身ぜんしんに刻きざまれた《銀ぎん紋もん》によって幼おさない姿すがたのまま成長せいちょうが止とまり、奴隷どれい市場いちばで売うれ残のこった天真爛漫てんしんらんまんな少女しょうじょ、クロア。偶然ぐうぜんと嘘うそから結むすばれた二人ふたりの関係かんけいは、一ひとつ屋根やねの下したでぎこちなく、しかし確たしかな情愛じょうあいをもって育はぐくまれていく。愛いとしき日々ひびは、やがて戦場せんじょうに奇蹟きせきを起おこし……。

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滅ほろびの季き節ぶしに《花はな》と《獣しし》は〈上うえ〉

650pt/715円えん(税込ぜいこみ)

幾多いくたの滅ほろびを乗のり越こえて栄さかえる花はなの街まちスラガヤ。そこで人ひとは等ひとしく奴隷どれいとして生いき、奇蹟きせきの操あやつり手しゅ《大だい獣しし》に仕つかえることが定さだめられていた。街まちにあだなす鋼こうの虫むし――《天子てんし》との戦せんが続つづくある冬ふゆに、その恋こい物語ものがたりは花開はなひらく。人間にんげんを貪むさぼり食くうという伝承でんしょうを持もち、人々ひとびとに畏怖いふされながら郊外こうがいの廃墟はいきょに居きょを構かまえる美うつくしき大だい獣しし、《貪食どんしょくの君きみ》。全身ぜんしんに刻きざまれた《銀ぎん紋もん》によって幼おさない姿すがたのまま成長せいちょうが止とまり、奴隷どれい市場いちばで売うれ残のこった天真爛漫てんしんらんまんな少女しょうじょ、クロア。偶然ぐうぜんと嘘うそから結むすばれた二人ふたりの関係かんけいは、一ひとつ屋根やねの下したでぎこちなく、しかし確たしかな情愛じょうあいをもって育はぐくまれていく。愛いとしき日々ひびは、やがて戦場せんじょうに奇蹟きせきを起おこし……。
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滅ほろびの季き節ぶしに《花はな》と《獣しし》は〈下した〉

670pt/737円えん(税込ぜいこみ)

――それは、永久えいきゅうの別わかれなのか。
《天子てんし》の襲来しゅうらいからスラガヤを護まもり抜ぬいた末すえ、《銀ぎん紋もん》の力ちからを使つかい果はたした二人ふたり。肉体にくたいは限界げんかいを迎むかえ、《貪食どんしょくの君きみ》は深ふかき眠ねむりに就つく。もう一度いちどクロアを抱だきしめたいという、淡あわく切せつなる願ねがいと共ともに。
　独ひとり取とり残のこされたクロアは、朽くち滅ほろびた地下街ちかがいエルラムで、《銀ぎん紋もん》を持もたない謎なぞの集団しゅうだんに囚とらわれていた。一方いっぽうスラガヤでは、クロアを聖女せいじょの再来さいらいと謳うたうリリアン教きょうが街まちの変革へんかくに動うごき出だす。滅ほろび行ゆく世界せかいの歩あゆみは、もはや止とめる術じゅつもない。
　しかし二に人にんに待まち受うける過酷かこくな運命うんめいは、古ふるき二ふたつの記憶きおくを呼よび起おこす。かつて一人ひとりの青年せいねんが手てにした幸福こうふくと悔恨かいこん、一人ひとりの少女しょうじょが残のこした想おもいと希望きぼう。その果はてに、三さん百ひゃく年ねんの月日つきひを超こえた一ひとつの奇蹟きせきが蘇よみがえる。
　異形いぎょうなる恋こい物語ものがたり、その結末けつまつは。