恋には二タイプあるそうだ。気付いたら落ちているタイプと、出会った瞬間、一発で落ちるタイプ。物心ついた頃から女子が苦手だった俺は、残念ながらその両方を経験することなくこの年まで来てしまった。「陽介は女の子が苦手だからね」傍らには、いつも通り親友の笑顔。だが、そんな日々が、ある日突然、終わりを告げたとしたら。「あ……あの、あんまり、胸とか、おしりとか、言わないで……はうう」「悪いけど、私、誰とも仲良くする気はないから」偶然がもたらした、二つの出会い。それが意味することは、何か。そして、解かれた想いのカナタにあるものとは―― ※電子版は文庫版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください