切せつない恋こい選集せんしゅう 【Vanilla文庫ぶんこ合本がっぽん版ばん】

駆かけ落おちしてしまった婚約こんやく者しゃの代かわりに、彼かれの兄あにで国くにの宰相さいしょうも務つとめるリュシアンと婚約こんやくすることになったクリスティーナ。「かわいい啼なき声ごえを、もっと聞きかせて」屋敷やしきに連つれてこられ、夜よごと甘あまく蕩とろける悦よろこびをリュシアンに教おしえ込こまれるクリスティーナは、弟おとうとの不ふ始末しまつの責任せきにんを取とってくれているだけの彼かれに惹ひかれていく。彼かれには別べつに愛あいする人ひとがいるのに……。　（春野はるの　湊みなと『宰相さいしょう閣かく下かの淫みだらなたくらみ』）

隣国りんごくの王女おうじょの一時いちじ的てきな身代みがわりとして国王こくおう・ウィルフレッドに嫁とつぐことになったプリシラ。城しろに上あがったその晩ばんに正体しょうたいを暴あばかれ、問とい詰つめられながらプリシラは純潔じゅんけつを散ちらされてしまう。冷つめたい言葉ことばで責せめ、嬉々ききとして快楽かいらくと愉悦ゆえつを与あたえてくるウィルフレッドに、プリシラは困惑こんわくを深ふかめていく。でも彼かれが時折ときおり見みせる優やさしさに、惹ひかれる気持きもちが高たかまり――。　（園内えんないかな『独占どくせん王おうの身代みがわり花嫁はなよめ』）

音楽おんがくの師しである元もと王子おうじエイセルに求婚きゅうこんされたシェリー。だが彼かれはある事件じけんにより記憶きおくを失うしなってしまう。「お前まえの知しっている頃ころの私わたしはどんな男おとこだった？」何なにも思おもい出だせないのに執拗しつようにシェリーの身体しんたいを弄いじくり巧たくみな指先ゆびさきで奏そうで快楽かいらくを引ひき出だすエイセル。記憶きおくがなくても自分じぶんを選えらんでくれているのでは…と感かんじた矢先やさき名家めいかの令嬢れいじょうが彼かれと婚約こんやくしていたと言いい出だして!?　（池戸いけのべ裕子ゆうこ『帰かえってきた王子おうじと忘わすれられた令嬢れいじょう～指先ゆびさきが奏かなでる淫みだらな調しらべ～』）

左右さゆうで異ことなる色いろの瞳ひとみのせいで忌避きひされていたフレデリカを、公爵こうしゃく・クリスティアンは花嫁はなよめとして迎むかえてくれた。孤独こどくを抱かかえていたフレデリカをクリスティアンはひたすらに甘あまやかし、搦からめ捕とるような濃厚のうこう愛撫あいぶで蕩とろかせて身みも心しんも彼かれの色いろに染そめていく。幸しあわせに満みたされていたが、クリスティアンにはかつてフレデリカと同おなじ瞳ひとみの色いろの婚約こんやく者しゃがいたと知しって!?　（すずね凜『溺おぼれ新婚しんこん～公爵こうしゃくさまの可愛かわいい幼ような妻つま～』）