「一人ひとりで生いきる」が当あたり前まえになる社会しゃかい

「ソロ大国たいこく・日本にっぽん」はどうなる？
独身どくしん研究けんきゅう家かと脳のう科学かがく者しゃが徹底てってい検証けんしょう！

2040年ねんには、独身どくしん者しゃが人口じんこうの5割わりになり、既婚きこん者しゃ（64歳さいまで）は3割わりになるーー。

この衝撃しょうげき的てきな数字すうじを見みて、みなさんはどのように感かんじたでしょうか。
「既婚きこん者しゃである自分じぶんたちは、少数しょうすう派はになってしまうのか……」
「このままだと、少子しょうし高齢こうれい化かがますます進すすむだろうし、日本にっぽんの将来しょうらいはどうなるのか……」
と思おもったかもしれません。

あるいは逆ぎゃくに、
「これから『一人ひとりで生いきていく』ことに不安ふあんしか感かんじていなかったが、20年ねん後ごには自分じぶんたちが多数たすう派はになるらしい。ということは、社会しゃかいのあり方かたも大おおきく変かわらざるを得えないはずだから、今いまよりも暮くらしやすくなっているかもしれない」
と前向まえむきに感かんじた方ほうもいらっしゃるでしょう。

では、実際じっさいのところはどうなのか？
というわけで、これからの日本にっぽんは「一人ひとりで生いきる」のが当あたり前まえになる、という予測よそくをテーマに据すえて、独身どくしん研究けんきゅうの第一人者だいいちにんしゃ・荒川あらかわ和久かずひささんと気鋭きえいの脳のう科学かがく者しゃ・中野なかの信子のぶこさんに対談たいだんをしていただきました。

この本ほんは、大おおきく２部ぶ構成こうせいとしました。

・前半ぜんはん（第だい１〜４章しょう）は、独身どくしん者しゃ（ソロ）と既婚きこん者しゃのそれぞれの生いき方かたや幸しあわせ、「孤独こどく」という「個人こじん」にまつわることについて。

・後半こうはん（第だい５〜７章しょう）は、視点してんを少すこしずつ個人こじんから社会しゃかい全体ぜんたいのほうに転てんじ、ソロと集団しゅうだん、多様たよう性せいと個性こせいといった社会しゃかい的てきなテーマに移行いこうするという流ながれになっています。

そして終章しゅうしょうとして、今いまの時代じだいでは無視むしできなくなった「withコロナ時代じだいの生いき方かた」という時事じじ的てきなトピックで締しめくくります。

「ソロ男おとこの外食がいしょく費ひは、一いち家族かぞく分ぶんの外食がいしょく費ひの２倍ばい近ちかい」「恋愛れんあいが得意とくいな人ひとは全体ぜんたいの３割わりだけ」「実じつは、アメリカも同調どうちょう圧力あつりょくが強つよい」などのデータやファクトを縦横無尽じゅうおうむじんに繰くり出だす荒川あらかわさんに対たいし、「認知にんち的てき不ふ協和きょうわ」「ステレオタイプ脅威きょうい」「シャーデンフロイデ」といった学術がくじゅつ的てきな用語ようごを引ひき合あいに出だしながら、それらの現象げんしょうを鮮あざやかに読よみ解といていく中野なかのさん。

お二に人にんそれぞれの知見ちけんが詰つまった鋭するどい現状げんじょう分析ぶんせき、緻密ちみつな未来みらい予測よそくをお読よみいただきながら、20年ねん後ごのみなさん自身じしんの生いき方かたについて考かんがえる一助いちじょとしていただければ幸さいわいです。

9784799327067