将棋しょうぎであった泣なける話はなし

将棋しょうぎを楽たのしむ人ひとは毎年まいとし増ふえ続つづけ、今いまや指さす人ひとだけでなく、
観みて楽たのしむ人ひと（＝観みる将しょう）や描えがいて楽たのしむ人ひと（＝描えがく将しょう）など、
様々さまざまな楽たのしみ方かたをするファンも増ふえています。

本書ほんしょは、様々さまざまな形かたちで将棋しょうぎに関かかわる人ひとたちを描えがいた、12編へんのアンソロジーです。
12編へんのうち以下いかの2編へんは、マイナビ出版しゅっぱん主宰しゅさいの短編たんぺん小説しょうせつコンテストの優秀ゆうしゅう賞しょうとなった作品さくひんです。

『負まける準備じゅんびは出来できていた』萩はぎ鵜うアキ
『天地てんち自然しぜん』井上いのうえ尚樹なおき

将棋しょうぎに興味きょうみがない人ひとも、まずは読よむ将しょうから始はじめてみませんか。

【一部いちぶあらすじ】

『将棋しょうぎを忘わすれなかった人ひと』／桔梗ききょう楓かえで
「私わたしは誰だれでしょう？」と、老人ろうじんホームに来きて質問しつもんする若わかい女性じょせいに、彼かれはいつも違ちがう回答かいとうをする。

『勝かってくれ』／水城みずき正太郎しょうたろう
「百折不撓ひゃくせつふとう」を座右ざゆうの銘めいにする棋士きし。彼かれを主役しゅやくにした映画えいが企画きかくの打うち合あわせが始はじまり……

『成なり駒こまのごとく』／矢や凪なぎ
二に十じゅう三さん歳さいの梓あずさは日曜にちようの朝あさ、作さく務つとむ衣ころもに着替きがえる。趣味しゅみである『将棋しょうぎの駒こま作づくり』をするために。

『盤上ばんじょうの記憶きおく』／田井だいノエル
病やまいによって夫おっとの桂かつら五ごは棋界きかいを去さった。変かわってしまった彼かれを必死ひっしで支ささえる香子きょうこだったが……

『負まける準備じゅんびは出来できていた』／萩はぎ鵜うアキ（※コンテスト優秀ゆうしゅう作品さくひん）
二に十じゅう六ろく歳さいになり奨励しょうれい会かい三さん段だんリーグ最後さいごの年としを迎むかえる僕ぼく。最終さいしゅう日び、あと一いち勝しょうでプロになれる……

【ほか７作品さくひん収録しゅうろく】
『どこまでも高たかく駆かけ昇のぼれ』溝口みぞぐち智子さとこ／『一緒いっしょに違ちがう場所ばしょを見みて』日野ひの裕ひろし太郎たろう／『白しろい昼ひると月つきの夜よるのエチュード』澤さわノ倉くらクナリ／『小ちいさな森もりで眠ねむる鳥とりたち』朝来あさごみゆか／『ふたりの歩ふ』編へん乃肌／『一番いちばん強つよい龍りゅうになる』猫屋ねこやちゃき／『天地てんち自然しぜん』井上いのうえ尚樹なおき（※コンテスト優秀ゆうしゅう作品さくひん）

9784839976965