ニッポンの個人こじん情報じょうほう 「個人こじんを特定とくていする情報じょうほうが個人こじん情報じょうほうである」と信しんじているすべての方ほうへ

日本にっぽんのプライバシーはいま、どうなっているのか?

本書ほんしょは、山本やまもと一郎いちろう、高木たかぎ浩光ひろみつ、鈴木すずき正ただし朝ちょうからなる「プライバシーフリークの会かい」によって行おこなわれた鼎談ていだん、「プライバシーフリークカフェ」を元もとに構成こうせいしています。

10年ねん前まえ、個人こじん情報じょうほう保護ほご法ほうが施行しこうされ、個人こじん、企業きぎょう、学校がっこう等とう、さまざまなレベルで「個人こじん情報じょうほう」というものが意識いしきされるようになりました。この10年ねんの間あいだ、多おおくの誤解ごかいや間あいだ違ちがった認識にんしきが生うまれました。また、クラウドやビッグデータの時代じだいとなり、私わたしたち一いち人にんひとりの情報じょうほうが、私わたしたちの目めに見みえない形かたちで取得しゅとくされ、「利り活用かつよう」という言葉ことばのもとで適法てきほうに、あるいは違法いほうに、情報じょうほうがやりとりされるようになり、紙かみの時代じだいの価値かち観かんでは対応たいおうできないような複雑ふくざつな問題もんだいが発生はっせいしています。

こうした状況じょうきょうを受うけ、10年ねんぶりに、個人こじん情報じょうほう保護ほご法ほうの改正かいせいが行おこなわれます。

日本にっぽんのプライバシーはいま、どういう状況じょうきょうにおかれているのか。
個人こじん情報じょうほう保護ほご法ほう改正かいせいの議論ぎろんで考かんがえなければならないこととは?
個人こじん情報じょうほうとプライバシー、法ほうと技術ぎじゅつとビジネス、そして個人こじん―様々さまざまな視点してんから斬きり込こみます。

▼プライバシーや個人こじん情報じょうほうに関かんするよくある認識にんしき
× 氏名しめい、年齢ねんれい、生年月日せいねんがっぴ、住所じゅうしょといった本人ほんにん特定とくてい情報じょうほうだけが個人こじん情報じょうほうである。
× 個人こじんを特定とくていできない情報じょうほうだったら利り活用かつようしても問題もんだいはない。
× 日本にっぽんも欧米おうべいを見習みならって情報じょうほうを利り活用かつようしなければ、経済けいざい競争きょうそうに出遅でおくれるので規制きせい緩和かんわをすべきである。
× 自分じぶんには漏もれて困こまるような情報じょうほうはないので心配しんぱいない。
× ダイレクトメールがいやだったら、捨すてればいいじゃない。
本当ほんとうに、そうですか？

●内容ないよう構成こうせい
第だい1章しょう 「個人こじんを特定とくていする情報じょうほうが個人こじん情報じょうほうである」と信しんじているすべての方ほうへ
第だい2章しょう Suica履歴りれきは個人こじんデータでした
第だい3章しょう そんな大綱たいこうで大丈夫だいじょうぶか?
第だい4章しょう だまし討うち、ダメ。ゼッタイ。
第だい5章しょう 漏洩ろうえいが問題もんだいなのではない、名寄なよせが問題もんだいなのである
第だい6章しょう 見みえないと、不安ふあん。

●プライバシーフリークとは
ヤフー執行しっこう役員やくいんの別所べっしょ直哉なおや氏しの「ビッグデータの利り活用かつようと利用りよう者しゃ保護ほごに関かんする説明せつめい会かい」における発言はつげん「日本にっぽんではプライバシーフリークが台頭たいとう」「EU型がたの厳格げんかく規制きせい(完敗かんぱいへの道みち)を志向しこう」「ゆえにプライバシーフリークに対抗たいこうする動うごきが必要ひつよう」が由来ゆらい。これを受うけ、山本やまもと一郎いちろう、高木たかぎ浩光ひろみつ、鈴木すずき正ただし朝あさの3名めいが「プライバシーフリークの会かい」を結成けっせい。法ほう改正かいせいへ向むけて議論ぎろんを行おこなうなど、活動かつどうを開始かいし。

※本ほん電子でんし書籍しょせきは同名どうめい出版しゅっぱん物ぶつを底本ていほんとして作成さくせいしました。記載きさい内容ないようは印刷いんさつ出版しゅっぱん当時とうじのものです。
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