デジタルシルクロード 情報じょうほう通信つうしんの地政学ちせいがく

中国ちゅうごくの一帯いったい一路いちろ戦略せんりゃくには、通商つうしょう・金融きんゆう以外いがいにもう一ひとつの顔かおがある。それはデジタル戦略せんりゃくだ。一帯いったい一路いちろデジタル経済けいざい国際こくさい協力きょうりょくイニシアチブ（デジタルシルクロード）は、一帯いったい一路いちろの情報じょうほう通信つうしん分野ぶんやにおける構想こうそうである。これに対たいして米国べいこくなどは、安全あんぜん保障ほしょう上じょうの懸念けねん、知ち財ざいの窃取せっしゅ、およびプライバシーの面めんにおいて中国ちゅうごく由来ゆらいの技術ぎじゅつは潜在せんざい的てきに高たかいリスクを抱かかえていると指摘してきしている。しかし、こうした視点してんだけでは中国ちゅうごくによる影響えいきょう力りょく拡大かくだいの目的もくてきを理解りかいするのに不十分ふじゅうぶんだ。なぜ多おおくの国くにがこれらの技術ぎじゅつを受うけ入いれるのか、低ていコスト機器ききに付随ふずいするリスクは何なにか、または中国ちゅうごくの技術ぎじゅつを通つうじた影響えいきょう力りょくはどのように効果こうかを上あげるのかを明あきらかにする必要ひつようがある。
　本書ほんしょは、デジタルシルクロードについて、国際こくさい政治せいじにおけるパワーをフレームワークとして、経済けいざい、安全あんぜん保障ほしょう、及および技術ぎじゅつという要素ようそ、インド・太平洋たいへいようという地域ちいきの地政学ちせいがくからその目的もくてきと影響えいきょう力りょくを明あきらかにする。
　地政学ちせいがく、安全あんぜん保障ほしょう、国際こくさい政治せいじにおけるパワーの行使こうしという独自どくじの観点かんてんから、中国ちゅうごくの一帯いったい一路いちろのデジタル分野ぶんやでの取とり組くみであるデジタルシルクロードの影響えいきょう力りょくを読よみ解とき、インフラ整備せいび、5G、デジタルプラットフォームの拡大かくだいを示しめすと共ともに、中国ちゅうごくの技術ぎじゅつ・経済けいざい・外交がいこう的てきな影響えいきょう力りょく拡大かくだいの状況じょうきょうと対抗たいこう策さくを示しめす。

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