小学館しょうがくかん世界せかいJ文学ぶんがく館かん 片目かためのオオカミ

※本ほん作品さくひんは『小学館しょうがくかん世界せかいJ文学ぶんがく館かん』(紙かみ版ばん)に収録しゅうろくされている同どうタイトルの作品さくひんと同おなじ内容ないようです。

瞳ひとみと瞳ひとみが見みつめあった時とき、物語ものがたりが始はじまる。

動物どうぶつ園えんのオオカミの檻おりの前まえに、一人ひとりの少年しょうねんが現あらわれる。少年しょうねんはオオカミをただじっと見みつづける。人間にんげんに興味きょうみがないオオカミは無視むしし続つづけるが、次第しだいに少年しょうねんのことが気きになってくる。とうとう観念かんねんしたオオカミが片目かためしかない目めで少年しょうねんを見みつめると、少年しょうねんはオオカミに合あわせてそっと片目かためを閉とじた。おたがいの片目かためと片目かためが合あったその瞬間しゅんかん、オオカミの瞳ひとみが自分じぶんの過去かこを語かたり出だす。
青あおいオオカミはアラスカで暮くらしていた。人間にんげんに捕つかまった妹いもうとを助たすけるために自分じぶんが捕獲ほかくされたのだ。片目かためを負傷ふしょうし、動物どうぶつ園えんに引ひき取とられ、しかし人間にんげんにはずっと心しんを開ひらかないと決きめていた。
今度こんどは少年しょうねんの瞳ひとみが、過去かこを語かたり出だす。アフリカで生うまれた少年しょうねんは、幼おさないころ戦争せんそうで両親りょうしんを失うしない、見みず知しらずの商人しょうにんに拾ひろわれて育そだった。少年しょうねんには不思議ふしぎな才能さいのうがあった。物語ものがたりを話はなす力ちからと、動物どうぶつと対話たいわできる力ちからだ。少年しょうねんは出会であった動物どうぶつたちと友ともだちになるが、運命うんめいに翻弄ほんろうされて森もりから町まちへ、そして動物どうぶつ園えんのあるこの町まちへやってきた。瞳ひとみと瞳ひとみが見みつめ合あい、こころが伝つたわったとき、一ひとつの奇跡きせきがおきる……。
さわやかな感動かんどうを呼よぶ、これまでにない人間にんげんと動物どうぶつの友情ゆうじょう物語ものがたり！(新訳しんやく）

※この作品さくひんは一部いちぶカラーが含ふくまれます。