虐しいたげられ令嬢れいじょうはいにしえの英雄えいゆうに囲かこわれる【完全かんぜん版ばん】

石像せきぞうから蘇よみがえったヤンデレ騎士きし。呪のろいを完全かんぜんに解とくためには、愛あいするものの体液たいえきが必要ひつようだと、心しんも身体しんたいも囲かこわれ、舐ねぶられ、これでもかと騎士きしに執着しゅうちゃくされる溺愛できあいストーリー！

家族かぞくから冷遇れいぐうされて育そだった幼おさない伯爵はくしゃく令嬢れいじょうのルルティアナは花はなを摘つんで来こいと言いわれ、雪ゆきの中なかに放ほうり出だされてしまう。寒さむくて心細こころぼそい中なか、ふと雪原せつげんに辿たどり着ついた。そこに立たっていたのは、かつてこの国くにを黒くろ龍りゅうから救すくった「英雄えいゆうバルト」の石像せきぞうだった。
それからというもの、ルルティアナは孤独こどくを埋うめるようにバルトの石像せきぞうに会あいに行いき、話はなしかけ、汚よごれを拭ぬぐい、敬うやまった。
やがて十じゅう九きゅう歳さいを迎むかえたルルティアナは金かねのために売うられるように婚約こんやくが決きまった。望のぞまない結婚けっこんで全すべてを奪うばわれるのなら、せめて最初さいしょのキスだけはと……そう思おもったルルティアナは屋敷やしきを抜ぬけ出だし、英雄えいゆうバルトの石像せきぞうに口くち付つけた――。
すると突然とつぜん石像せきぞうは人間にんげんになりルルティアナを抱だきしめた。そう、それは黒くろ龍りゅうによる石いし化かの呪のろいが解とけた本物ほんものの英雄えいゆうバルトだったのだ。バルトの話はなしに混乱こんらんしていると、抜ぬけ出だしたルルティアナを連つれ戻もどしに家族かぞくと婚約こんやく者しゃが来きてしまう。
「連つれていってください。ここにいたくない」
ルルティアナはバルトとともに逃にげることにしたが、しばらくして実じつはバルトの石いし化かの呪のろいが完全かんぜんに解とかれていないことを知しる。
呪のろいを解とくためには、愛あいするものの体液たいえきが必要ひつようって――!?

＜作者さくしゃより＞
偶然ぐうぜん呪のろいを解といたことで、突然とつぜん溺愛できあいされ翻弄ほんろうされる女おんなの子こが書かきたくて考かんがえたお話はなしです。バルトが活いきのいいヤンデレになってくれてとても楽たのしかったです。