審判しんぱんはつらいよ（小学館しょうがくかん新書しんしょ）

判定はんていは正ただしくて当然とうぜん、間違まちがえれば袋叩ふくろだたき！

どんなスポーツ競技きょうぎにも必要ひつような「審判しんぱん員いん」。彼かれらがいなければ勝負しょうぶ判定はんていも採点さいてんもできず、競技きょうぎの公平こうへい性せいは担保たんぽされない。

重要じゅうような役割やくわりを任まかされ、絶大ぜつだいな権限けんげんを与あたえられる審判しんぱん員いんだが、そのジャッジは正ただしくて当あたり前まえ、「誤審ごしん」しようものなら猛烈もうれつな批判ひはんを浴あびる。近年きんねんは映像えいぞう判定はんていをはじめとする「機械きかい」に仕事しごとを奪うばわれつつあり、“競技きょうぎの番人ばんにん”としての「権威けんい」「威厳いげん」も低下ていかしている。

それでも彼かれらはなぜ「ジャッジマン」としてスポーツに身みを捧ささげるのか。

日本人にっぽんじんとして初はじめてW杯はいの開幕かいまく戦せんで主審しゅしんを務つとめた西村にしむら雄一ゆういち（サッカー）、公式こうしき戦せん3000試合しあい出場しゅつじょうの橘高きったか淳あつし（プロ野球やきゅう）、行司ぎょうじの最高峰さいこうほうである第だい37代だい木村きむら庄しょう之の助すけを務つとめた畠山はたけやま三郎さぶろう（大相撲おおずもう）ほか、第だい一線いっせんで活躍かつやくした8競技きょうぎの審判しんぱんのインタビューをもとに構成こうせい。
彼かれらが「審判しんぱん」を目指めざした理由りゆう、自身じしんの「誤審ごしん」を巡めぐる騒動そうどう、機械きかい判定はんていに対たいする複雑ふくざつな思おもい－－競技きょうぎごとに異ことなる判定はんていの難むずかしさとともに「審判しんぱんとしての誇ほこり」を語かたる。

また、「世界せかい的てきに物議ぶつぎを醸かもしたＷ杯だぶりゅーはい開幕かいまく戦せんのＰＫ判定はんてい」（西村にしむら）、「巨人きょじん・ガルベスの硬球こうきゅう投なげつけ事件じけん」（橘高きったか）など、審判しんぱん員いんとして関かかわった「騒動そうどう・事件じけんの裏側うらがわ」も初はじめて明あかされる。

（底本ていほん　2024年ねん5月がつ発売はつばい作品さくひん）

9784098254743