恐竜きょうりゅう最後さいごの日ひ: 小惑星しょうわくせい衝突しょうとつは地球ちきゅうをどのように変かえたのか NEW

ファンタジー小説しょうせつのように読よめるポップサイエンスだが、
その内容ないようは確固かっこたるエビデンスに裏うらづけられている。
物語ものがたりスタイルの先史せんし時代じだいノンフィクションという、
まったく新あたらしいジャンルを切きり開ひらいたといえるだろう。
――スティーヴ・ブルサッテ（『恐竜きょうりゅうの世界せかい史し』著者ちょしゃ）

ライリー・ブラックは、この危機ききと回復かいふくのあらゆる段階だんかいを蘇よみがえらせた。
軽かろやかな筆致ひっちの根底こんていにあるのは、物語ものがたりの背景はいけいにある豊富ほうふな
科学かがく的てきエビデンスの綿密めんみつかつ入念にゅうねんなる分析ぶんせきである。
――マイケル・Ｊ・ベントン（『恐竜きょうりゅう研究けんきゅうの最前線さいぜんせん』著者ちょしゃ）

童話どうわのように色いろ鮮あざやかな本書ほんしょは、ブラックの科学かがくに基もとづいた
想像そうぞう力りょくによって命いのちを吹ふき込こまれたものだ。『恐竜きょうりゅう最後さいごの日ひ』は、
遥はるかなる過去かこと現代げんだいの生態せいたい系けいがつながっていることを明あきらかにする。
エビデンスの数々かずかずが織おり込こまれた物語ものがたりを読よみ進すすむうち、読者どくしゃは過去かこに誘さそわれ、
あたかも目めの前まえでさまざまな出来事できごとが起おこっているかのように思おもえてくるだろう。
――エルサ・パンチローリ博士はかせ（『哺乳類ほにゅうるい前史ぜんし』著者ちょしゃ）

＊　＊　＊　＊　＊

そして生命せいめいは新あらたな道みちを歩あゆみはじめた

6600万まん年ねん前まえのモンタナのヘルクリーク、晴はれた日ひの午後ごご。
森もりの端はしではトリケラトプスが歩あるき回まわり、ティラノサウルスは巨体きょたいを揺ゆらしながら
獲物えものを探さがしている。その数時間すうじかん後ご、小惑星しょうわくせいが地球ちきゅうに衝突しょうとつし、
風景ふうけいを一変いっぺんさせることになるなどと、誰だれが予測よそくできただろうか。
この災禍さいかは、既知きちの種たねの半分はんぶん以上いじょうを消けし去さったが、それまでの1億おく年間ねんかん
閉とざされていた進化しんかの機会きかいを得える重要じゅうようなものでもあった。
衝突しょうとつから1日にち後ご、1年ねん後ご、1000年ねん後ご、100万まん年ねん後ごに起おきた生命せいめいの歩あゆみを、
目めの前まえで観察かんさつしているかのごとく語かたる、ナラティブ・ノンフィクションの傑作けっさく。

◆目次もくじ
序章じょしょう
第だい1章しょう　衝突しょうとつ前まえ――いまから6604万まん3000年ねん前まえ
第だい2章しょう　衝突しょうとつ
第だい3章しょう　衝突しょうとつから1時じ間あいだ後ご
第だい4章しょう　衝突しょうとつから1日にち後ご
第だい5章しょう　衝突しょうとつから1か月げつ後ご
第だい6章しょう　衝突しょうとつから1年ねん後ご
第だい7章しょう　衝突しょうとつから100年ねん後ご
第だい8章しょう　衝突しょうとつから1000年ねん後ご
第だい9章しょう　衝突しょうとつから10万まん年ねん後ご
第だい10章しょう　衝突しょうとつから100万まん年ねん後ご
結論けつろん――小惑星しょうわくせい衝突しょうとつから6604万まん3000年ねん後ご
付録ふろく――科学かがく的てき背景はいけいについて

◆本文ほんぶんより
もし歴史れきしがほんのわずかでも違ちがう形かたちで展開てんかいしていたならば、
絶滅ぜつめつにおける最悪さいあくの状態じょうたいを脱だっしたとしても、進化しんかの末すえに私わたしたち人間にんげんが
誕生たんじょうすることはなく、爬虫類はちゅうるいの鋭するどい爪つめが牛耳ぎゅうじる世界せかいで生いきる哺乳類ほにゅうるいは、
比較的ひかくてき小ちいさい体からだのまま、フンフンと辺あたりを嗅かぎまわるだけの存在そんざいに
なっていたことだろう。この壮大そうだいな物語ものがたりは恐竜きょうりゅうたちの苦難くなんだけで終おわるものではない。
私わたしは、滅亡めつぼうする恐竜きょうりゅうたちの陰かげに隠かくれて生いき残のこった目立めだたない生物せいぶつたちと、
そんな彼かれらがのちに繁栄はんえいする様子ようすにも焦点しょうてんを当あててみたかったのだ。

9784759823790