ヴィクトリア朝イギリス、喧騒と霧の都ロンドンの片隅に、摩訶不思議な銀の針をあやつる娘がいました。仕立て屋で働く少女、ジュリエッタ。彼女が念ずれば、銀の針はたちまち不可能を可能にしてくれます。くたびれた心をすっきり仕立て直したり、失われた絆の糸をたどったり。愛と幸せを運ぶ針使い、ジュリエッタは今日も奇跡を起こします。さあ、次のお仕事は? 貧しい兄妹の心をつなぎ、高慢な老婦人の心をときほぐすお話(「たとえば海の色」)、演技上手な友人が真実の姿をみせるまでのお話(「銀色ファンタジー」)、ひねくれた少女が純粋な愛に気づくお話(「赤毛のポーリーヌ」)の全3話。魔法の銀の針シリーズ第2巻(全2巻)!! 同時収録短編「ロマンチック・シンフォニー」、「香港日記」。