時間も、場所も、遠く離れた見知らぬ場所で、真の孤独に陥ってしまった一人のアフリカ系ボクサー、ヤーボ・モーガン。
悲劇に襲われる直前、ヤーボは幸せの絶頂にいた。貧乏のどん底で描いたプロボクシングのチャンピオンになる夢を、家族の支えによって手に入れた。その証であるチャンピオンベルトを手にした瞬間、ヤーボは強烈な頭痛にさいなまれ、意識が遠のく…。ヤーボが目を覚ましたのは戦場(いくさば)だった。飛び交う矢、火花散らす刀、血しぶき、悲鳴、…そしてサムライ。なぜかヤーボは遠い日本の戦国時代に試合後の姿そのままで現れてしまったのだった――。