ガールクラッシュ 1巻かん

「舞台ぶたいに上あがるのは、理想りそうのかっこいい女おんなの子こ――」

百瀬ももせ天たかし花はな（ももせ・てんか）・高校こうこう1年生ねんせい。
学校がっこうの成績せいせきがよくて、ビジュアル最強さいきょう、ダンス部ぶでは1年生ねんせいながらセンターに立たつ。

天花てんげが誰だれにも羨うらやましがられる存在そんざい＝ガールクラッシュ（女子じょしが憧あこがれるかっこいい女子じょし）になったきっかけは、小学生しょうがくせいの頃ころ。

母親ははおやが不倫ふりんして、相手あいての男おとこと一緒いっしょに失踪しっそうしたのがクラスで噂うわさになってしまい、ハブられていた天花てんげは、いつも一人ひとりで行動こうどうしていた。
そんな折おり、クラスメイトの湊みなと晴海はるみ（みなと・はるみ）くんが、声こえをかけてくれた。
人気にんき者しゃの晴海はるみは、天花てんげの家庭かてい環境かんきょうなど気きにせず、フラットに付つき合あってくれる。
天花てんげはいつしか、その優やさしさに惹ひかれ、次第しだいに晴海はるみが好すきになっていく…。

そこからは勉強べんきょうも、部活ぶかつも、すべて一生懸命いっしょうけんめいやって、中学ちゅうがくでは彼女かのじょも人気にんき者しゃに。
そしてパーフェクトに成長せいちょうした天てん花はなだったが、恋こいにだけは奥手おくてで、晴海はるみに思おもいを伝つたえられずにいた――。

高校生こうこうせいになって、ダンス部ぶとして文化ぶんか祭さいが近ちかづいてくるなか、天花てんげは、部活ぶかつの仲間なかまと屋上おくじょうへダンスの練習れんしゅうへ向むかう。
その途中とちゅうで出会であったのは、地味じみでパッとしない、佐藤さとう恵めぐみ梨なし杏あんず（さとう・えりあん）だった。

恵めぐみ梨なし杏あんずは、K-POPにかぶれていて、新大久保しんおおくぼでバイトするほどだった。
大好だいすきなアイドルグループは、ブライトローズ。
ブライトローズのリオナに憧あこがれて、自分じぶんもK-POPアイドルになるために、独学どくがくで歌うたとダンスを練習れんしゅうし、韓国かんこく留学りゅうがくを計画けいかくしていた。

そのバイト先さきでは、晴海はるみも働はたらいていて、仲良なかよさそうな2人ふたりの姿すがたを見みてやきもちをやいた天花てんげは、恵めぐみ梨なし杏あんずを焚たき付つける。

天花てんげ、恵めぐみ梨なし杏あんず、晴海はるみの3人にんで、カラオケに行いくということになり、いざ、ブライトローズの曲きょくを歌うたう恵めぐみ梨なし杏あんずだったが……。

――きっかけは、恋こい。
――きっかけは、憧あこがれ。
天花てんげと恵めぐみ梨なし杏あんず、2人ふたりの強つよい思おもいが、交錯こうさくする。

巷ちまたで大だい流行りゅうこうするK-POP――
日本にっぽんの女子高じょしこう生せいたちの青春せいしゅんは、K-POPアイドルの夢ゆめに向むかって動うごき出だす!!