「前のような君に戻って欲しい」「君は今のままでいいんだよ」
交通事故に遭い、高校入学時から10年間の記憶を失った緑。
親族のいない緑は婚約者と名乗る雄介に、一緒に暮らしていた時のことを繰り返せば
記憶が戻るはず、と半ば強引に同居生活が始まる。
記憶のない不安な中、街で偶然すれ違った男性になにかを感じて呼び止めると、相手は初恋の吟次だった。
モラハラ気質な雄介に比べ、吟次は包容力があって緑は次第に心を惹かれていくが、
吟次と一緒にいる時だけ頭痛がするようになる…
唯一の手がかりの携帯の履歴に残された『ストーカー被害』の文字。
微かに残る記憶と、今ある確かな感情。
”自分”を見つける恋が始まる──。
※この作品は「ひび割れペリドット」(6)~(10)の合本版です。