神かみの雫しずく （新装しんそう版ばん）4

神かみの雫しずくは運命うんめいの雫しずくでもある。世界せかい的てきなワイン評論ひょうろん家か神かみ咲さき豊ゆたか多た香こうの子こである神かみ咲さき雫しずくは、幼少ようしょうからワインに関かんする徹底てっていした英才えいさい教育きょういくを父ちちから受うけていた。
成長せいちょうした雫しずくは、父ちちへの反発はんぱつからワインから距離きょりを置おく生活せいかつを送おくっていたが、運命うんめいの糸いとは雫しずくをワインの元もとに引ひき寄よせた。
雫しずくの持もつたぐい稀まれなワインのテイスティングに対たいする才能さいのうは無意識むいしきのうちに発揮はっきされ、周囲しゅういを驚おどろかすばかりだった。
その後ご、父ちちが急死きゅうしし、ある遺言ゆいごんが残のこされた。それは父ちちが生涯しょうがいを通つうじて選えらんだ１２本ほんの偉大いだいなるワイン「十じゅう二に使徒しと」とその頂点ちょうてんに立たつ「神かみの雫しずく」の銘柄めいがらと生産せいさん年ねんをい当いあてた者ものに、遺産いさんである至高しこうのワインコレクションを相続そうぞくさせるというものであった。
その重圧じゅうあつに驚愕きょうがくする雫しずくであったが、加くわえて生前せいぜん父ちちが養子ようしに迎むかえ入いれた、天才てんさいワイン評論ひょうろん家かの遠とお峰ほう一いち青あおが現あらわれ、相続そうぞく争あらそいを表明ひょうめいしてきた。
ここに誇ほこり高たかきワインコレクションをめぐる熾烈しれつな争あらそいの舞台ぶたいの幕まくが切きって落おとされた。
2004年ねんに漫画まんが雑誌ざっしモーニングで連載れんさいが開始かいしされるや、大だいヒットとなり続編ぞくへん含ふくめ16余よ年ねんにわたり大だいベストセラーとなった。作品さくひんは世界中せかいじゅうで大だいヒットを飛とばし、累計るいけい発行はっこう部数ぶすうは1500万まん部ぶを突破とっぱしている。
ワインに詳くわしい者ものもそうでない者ものも読よみ出だしたら一気いっきに引ひき込こまれる亜樹あき直じきの重厚じゅうこうさとエンターテイメントか見事みごとに合体がったいしたと原作げんさくと原作げんさくにマッチしたオキモト・シュウのシャープな絵えがこの大作たいさくを結実けつじつさせた。
ゆっくりとワイン片手かたてにこの傑作けっさくを味あじわってください。