男おとこ達たちの航海こうかい

▼第だい１話わ／分校ぶんこう魂たましい火ひ▼第だい２話わ／潮風しおかぜとこいのぼり▼第だい３話わ／鯨くじら五ご十じゅう集しゅう船せん▼第だい４話わ／軍配ぐんばい▼第だい５話わ／針はり心しん▼第だい６話わ／こんぴらふねふね ●主おもな登場とうじょう人物じんぶつ／「分校ぶんこう魂たましい火ひ」＝野村のむら有弘ありひろ（高知こうち県けん宇佐うさ分校ぶんこうに通かよう高校生こうこうせい。将来しょうらいは父親ちちおやの跡あとを継ついで漁師りょうしになる）　「潮風しおかぜとこいのぼり」＝圭けい（漁師りょうし町まち出身しゅっしんで現在げんざいは大阪おおさかに就職しゅうしょくしている青年せいねん。今度こんど結婚けっこんすることになった）、じっちゃん・ばっちゃん（圭けいの実家じっかの隣となりに住すむ老ろう夫婦ふうふ。圭けいを本当ほんとうの息子むすこのようにかわいがっている） ●あらすじ／高知こうち県けんの宇佐うさ分校ぶんこうに通かよう網元あみもとの息子むすこは肩身かたみが狭せまい。分校ぶんこうに通かよう奴やつは、本校ほんこうの試験しけんに通とおらなかったバカの集あつまりと思おもわれているからだ。しかし、そんな彼かれにも夢ゆめがあった。それは“東大とうだい”に入はいること。東大とうだいに入はいって、宇佐うさの町まちにも立派りっぱな高校こうこうがあると世間せけんにアピールしたいのだ。一方いっぽう、漁師りょうしの息子むすこの有弘ありひろは、とくにこれといった志こころざしもなく高校こうこう生活せいかつを送おくっている。しかし、野球やきゅう部ぶ監督かんとくの「漁師りょうし町まちの分校ぶんこうだってやればできるという“気き”で闘たたかっている」という言葉ことばに引ひかれ、その日ひから甲子園こうしえんを目指めざして猛もう練習れんしゅうを始はじめる。だが水産すいさん高校こうこうには、高校こうこう球児きゅうじにはハンディともいえる、３か月げつにも及およぶ海洋かいよう実習じっしゅうがあった（第だい１話わ）。▼還暦かんれきを間近まぢかに迎むかえた今いまでも現役げんえきの海女あまさんを続つづけているばっちゃんと夫おっとのじっちゃんは、隣となりの家いえの圭けいを本当ほんとうの子供こどものようにかわいがっていた。しかし圭けいは、大阪おおさかに就職しゅうしょくして以来いらい５年ねんも帰かえってこない。今日きょうもばっちゃんは、圭けいが乗のっていた自転車じてんしゃを眺ながめてはため息いきをつくばかり。その日ひの仕事しごとを終おえたじっちゃんとばっちゃんは、いつものように自転車じてんしゃのふたり乗のりで家いえに帰かえる途中とちゅう、圭けいの姿すがたを見みつける！　しかも今度こんど結婚けっこんするという。大喜だいぎびのじっちゃんとは違ちがって、ばっちゃんはちょっとばかり複雑ふくざつな心境しんきょうだった（第だい２話わ）。

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