５千せん年ねん前まえのミイラにタトゥー、図像ずぞう描えがく最古さいこの例れい　エジプト

（ＣＮＮ） 大だい英えい博物館はくぶつかん所蔵しょぞうの５０００年ねん前まえのミイラを赤外線せきがいせんで調しらべたところ、上腕じょうわんや肩かたに動物どうぶつなどをかたどったタトゥーが彫ほられていたことがこのほど明あきらかになった。図像ずぞうを描えがいたタトゥーとしては世界せかい最古さいこのものと考かんがえられる。

１８～２１歳さいで死亡しぼうしたとみられる男性だんせいのミイラの上腕じょうわんには、野生やせいの雄お牛うしとバーバリーシープをかたどったタトゥーが見みつかった。また別べつの女性じょせいのミイラには、肩かたと上腕じょうわんにＳ字じ型がたの模様もようを複数ふくすう並ならべたデザインのタトゥーが施ほどこされていた。

考古こうこ学会がっかい誌しに掲載けいさいされた今回こんかいの発見はっけんにより、アフリカでのタトゥーの風習ふうしゅうは従来じゅうらいの説せつより１０００年ねんさかのぼることが証明しょうめいされた。また先王せんおう朝あさ時代じだいのエジプトでは女性じょせいのみがタトゥーを入いれていたとするこれまでの見方みかたも覆おおった。先王せんおう朝あさ時代じだいとは、エジプトを統一とういつする王朝おうちょうが登場とうじょうする紀元前きげんぜん３１００年ねんごろより以前いぜんの時代じだい区分くぶんを指さす。

大だい英えい博物館はくぶつかんの学芸がくげい員いんで今回こんかいの調査ちょうさを主導しゅどうしたダニエル・アントワーヌ氏しは、「図像ずぞうをタトゥーに描えがくのはかなり異例いれいのことだ」と指摘してき。その上うえで男性だんせいのミイラに彫ほられた動物どうぶつ、とりわけ雄お牛うしは地位ちいや力強ちからづよさ、男おとこらしさに関連かんれんする可能かのう性せいが高たかいとの見方みかたを示しめした。女性じょせいの方ほうに彫ほられたＳ字じの連つらなりは、同どう時代じだいの陶器とうきの装飾そうしょくにみられるデザインだという。

放射ほうしゃ性せい炭素たんそによる年代ねんだい測定そくていの結果けっか、２体たいのミイラの生いきていた年代ねんだいは紀元前きげんぜん３３５１年ねんと３０１７年ねんの間あいだ。アントワーヌ氏しは、当時とうじのタトゥーが複数ふくすうの事柄ことがらを象徴しょうちょうする役割やくわりを果はたしていたとみている。当該とうがいの人物じんぶつについて「その地位ちいを表あらわし、特定とくていの動物どうぶつが描えがかれる場合ばあいは勇敢ゆうかんさを示しめしたかもしれない。ただもっと複雑ふくざつなもの、たとえば宗教しゅうきょう的てき崇拝すうはい、魔術まじゅつ的てきな知識ちしき、災厄さいやくからの保護ほごなどを象徴しょうちょうしていた可能かのう性せいもある」と述のべた。