まるで「ビックリ箱ばこ」、ウクライナで戦たたかうロシア軍ぐんの戦車せんしゃが抱かかえる設計せっけい上じょうの欠陥けっかんとは

（ＣＮＮ） 砲塔ほうとう部分ぶぶんが吹ふき飛とばされたロシア軍ぐんの戦車せんしゃの残骸ざんがいは、同国どうこくのウクライナへの侵攻しんこうが計画けいかく通どおりに進すすんでいないことを示しめす最新さいしんの兆候ちょうこうだ。

ウクライナ侵攻しんこうの開始かいし以降いこう、これまで破壊はかいされたロシア軍ぐんの戦車せんしゃは数すう百ひゃく台だいに上のぼると考かんがえられている。ウォレス英えい国防こくぼう相しょうは２５日にち、その数かずを推計すいけいで最大さいだい５８０台だいと発表はっぴょうした。

しかしロシアにとっての問題もんだいは単たんに台数だいすうのみにとどまらない。専門せんもん家からは戦場せんじょうを写うつした画像がぞうから、ロシア軍ぐんの戦車せんしゃがある不具合ふぐあいを抱かかえていることが分わかると指摘してきする。それは西側にしがわ諸国しょこくの軍隊ぐんたいが数すう十じゅう年間ねんかんにわたり認識にんしきしている欠陥けっかんで、「ビックリ箱ばこ」効果こうかと呼よばれている。ロシア側がわもこの問題もんだいについては把握はあくしていたはずだと、専門せんもん家からはみている。

車体しゃたいから砲塔ほうとうが吹ふき飛とんだ状態じょうたいでウクライナ首都しゅと近郊きんこうの路上ろじょうに放置ほうちされるロシア軍ぐんの戦車せんしゃ/Maxym Marusenko/NurPhoto/Getty Images

問題もんだいは戦車せんしゃの弾薬だんやくの搭載とうさい方法ほうほうに関連かんれんする。最新さいしんの西側にしがわの戦車せんしゃと異ことなり、ロシア軍ぐんの戦車せんしゃは回転かいてん式しき砲塔ほうとうの内部ないぶに多数たすうの弾薬だんやくを搭載とうさいしている。被弾ひだんの際さいの危険きけんは極きわめて大おおきく、直撃ちょくげきではない場合ばあいでさえもそこから連鎖れんさ反応はんのうが始はじまり、搭載とうさいする最大さいだい４０発はつの砲弾ほうだんがすべて爆発ばくはつする恐おそれがある。

その結果けっか生しょうじる衝撃波しょうげきはの威力いりょくで、砲塔ほうとうは２階かい建だての建物たてものほどの高たかさにまで吹ふき飛とぶこともある。最近さいきんソーシャルメディアに投稿とうこうされた動画どうがに映うつっている通とおりだ。

ウクライナ首都しゅとの西にし約やく４０キロの地点ちてんで、破壊はかいされたロシア軍ぐんの戦車せんしゃを調しらべる男性だんせい/Sergei Chuzavkov/SOPA Images/LightRocket/Getty Images

米べいシンクタンク、海軍かいぐん分析ぶんせきセンターでロシア研究けんきゅうプログラムの顧問こもんを務つとめるサム・ベンデット氏しは、上記じょうきのような問題もんだいを「設計せっけい上じょうの欠陥けっかん」と説明せつめい。「とにかく弾たまが当あたりさえすれば、たちまち搭載とうさいした弾薬だんやくに引火いんかし、大だい爆発ばくはつを引ひき起おこす。砲塔ほうとうは文字通もじどおり吹ふき飛とぶ」と述のべた。同氏どうしはセンター・フォー・ニュー・アメリカン・セキュリティー（ＣＮＡＳ）の非常勤ひじょうきんシニアフェローも務つとめる。

こうした欠陥けっかんに対たいし戦車せんしゃの搭乗とうじょう員いんはなす術じゅつがないと、英国えいこく陸軍りくぐんの元もと将校しょうこうで現在げんざいは防衛ぼうえい産業さんぎょうアナリストのニコラス・ドラモンド氏しは指摘してきする。戦車せんしゃには通常つうじょう、砲塔ほうとうに２人ふたり、運転うんてん席せきに１人にんの兵士へいしが乗のり込こんでいるが、被弾ひだんから「１秒びょう以内いないに脱出だっしゅつしなければトースト状態じょうたい」だという。