狂言きょうげん師しの野村のむら萬まん斎とき（５０）と歌舞伎かぶき俳優はいゆうの市川いちかわ猿之助えんのすけ（４０）が、戦国せんごく時代じだいに生いきた、華道かどうの初代しょだい池坊いけのぼう専せん好このみを主人公しゅじんこうにした映画えいが「花はな戦せんさ」（来年らいねん公開こうかい）で初はつ共演きょうえんすることが５日にち、分わかった。配給はいきゅうの東映とうえいは海外かいがい映画えいが祭さいを含ふくめ国外こくがいにもアプローチしていく計画けいかく。日本にっぽんの伝統でんとう芸能げいのうを担になう２大だいスターに華道かどう家元いえもと池坊いけのぼうも全面ぜんめん協力きょうりょくし、オールジャパンで国内こくないのみならず世界せかいに「イケノボウ」の名なを発信はっしんしていく。

　「花はな戦せんさ」は、圧政あっせいで人々ひとびとを苦くるしめる豊臣とよとみ秀吉ひでよしに、力ちからではなく花はなの美うつくしさで戦たたかいを挑いどんだ花はな僧そう・池坊いけのぼう専せん好このみの物語ものがたり。華道かどうの天才てんさいながら常識じょうしきを超こえた発想はっそうを持もつ“変人へんじん”で、萬まん斎ときの新あらたな当あたり役やくとなりそうだ。

　対峙たいじ（たいじ）する秀吉ひでよし役やくの猿之助えんのすけとは初はつ共演きょうえん。狂言きょうげんと歌舞伎かぶきのスターが手てを組くむのみならず、華道かどう家元いえもと池坊いけのぼうと２年ねん前まえから交渉こうしょうし、クライマックスで専せん好このみが秀吉ひでよしに突つきつける幅はば１０メートルもの大作たいさくなど、１３０作品さくひんの生いけ花ばなが映画えいがを彩いろどる。専せん好このみの親友しんゆうで茶人ちゃじんの千利休せんのりきゅうを佐藤さとう浩市こういち（５５）が演えんじ、茶道さどうを含ふくめた日本にっぽんの伝統でんとう文化ぶんかを玉手箱たまてばこのように詰つめ込こんだ。

　東映とうえいは「重厚じゅうこうな時代じだい劇げき」ではなく「ユーモラスな娯楽ごらく作さく」として世界せかい展開てんかいを計画けいかく中ちゅう。海外かいがい映画えいが祭さいも含ふくめ、関係かんけい者しゃは「ブームを外国がいこくの方ほうから作つくってもらえるような“池坊いけのぼう”ではなく“イケノボウ”という現代げんだい的てきなアプローチをしたい」とプランを練ねる。京都きょうと・太秦うずまさを中心ちゅうしんに１０日にちにクランクインし、二条城にじょうじょうや西本願寺にしほんがんじなど歴史れきしある建造けんぞう物ぶつでの撮影さつえいも予定よてい。役者やくしゃに文化ぶんか、舞台ぶたいと文字通もじどおりのオールジャパンを集結しゅうけつさせる。

　現在げんざい、生いけ花ばなの所作しょさの稽古けいこに励はげむ萬まん斎ときは「伝統でんとうを受うけ継つぐだけではなく、常つねに時代じだいの空気くうきを感かんじながら“その時々ときどきの美うつくしさ”を追求ついきゅうする。その姿勢しせいは、狂言きょうげんの世界せかいと相そう通つうずるものがあると思おもっています」と共感きょうかんも口くちに。製作せいさく費ひ５億おく円えん以上いじょう、公開こうかい規模きぼは約やく３００館かんと、日本にっぽんの魅力みりょくが詰つまった大作たいさくとなりそうだ。