天然てんねんに存在そんざいするトリチウムも、原子力げんしりょく発電はつでん所しょで発生はっせいするトリチウムも原子げんしとしては同おなじで、違ちがいはありません。天然てんねんか人工じんこうかで区別くべつして心配しんぱいする必要ひつようはありません。
放射線ほうしゃせんを出だす能力のうりょくは「ベクレル」という単位たんいで表あらわされます。福島ふくしま第だい一いち原子力げんしりょく発電はつでん所しょから発生はっせいしたトリチウムは、約やく780兆ちょうベクレルです^※8※9。
天然てんねんのトリチウムは年としに約やく7京きょう（7万まん兆ちょう）ベクレル発生はっせいし、地球ちきゅう上じょうには100京きょう～130京きょう（100万まん兆ちょう～130万まん兆ちょう）ベクレルが存在そんざいしています＝図ず6参照さんしょう。
国くになどが定さだめた排出はいしゅつ基準きじゅんを守まもった上うえで日本にっぽん全国ぜんこくの原子力げんしりょく発電はつでん所しょから海うみに放出ほうしゅつされていたトリチウムは、合計ごうけいで年としに約やく380兆ちょうベクレルでした^※10。放出ほうしゅつされたトリチウムは海水かいすいでうすめられます。原子力げんしりょく発電はつでん所しょの近ちかくの海うみで測はかったトリチウム濃度のうどは海水かいすい1リットルあたり最大さいだいで21ベクレル^※11。世界せかい保健ほけん機関きかん（WHO）は、飲料いんりょう水すいのトリチウム濃度のうどを1リットルあたり1万まんベクレル以下いかにするよう提案ていあんしていますが、それよりも十分じゅうぶんに低ひくい値ねです。

図ず6 地球ちきゅう上じょうに存在そんざいする天然てんねんのトリチウムと福島ふくしま第だい一いち原子力げんしりょく発電はつでん所しょのトリチウム

※8

2021年ねん4月がつ時点じてん

※9

海外かいがいと比較ひかくすると、例たとえば、フランスのラ・アーグ再さい処理しょり施設しせつのトリチウム放出ほうしゅつ量りょうは年間ねんかんで約やく1京きょう（1万まん兆ちょう）ベクレル（2021年ねん、液体えきたい・気体きたい合計ごうけい）。

※10

福島ふくしま第だい一いち原子力げんしりょく発電はつでん所しょ事故じこ前まえ5年ねん平均へいきん。出典しゅってん：JNES「原子力げんしりょく施設しせつ運転うんてん管理かんり年報ねんぽう」

※11

2010年度ねんどはND（検出けんしゅつ下限かげん以下いか）～21ベクレル、2015年度ねんどはND（検出けんしゅつ下限かげん以下いか）～2.6ベクレル。出典しゅってん：2016年度ねんど海洋かいよう環境かんきょうにおける放射能ほうしゃのう調査ちょうさ及および総合そうごう評価ひょうか(海洋かいよう生物せいぶつ環境かんきょう研究所けんきゅうじょ)