Alex Wong//Getty Imagesアマンダ・ゴーマン(Amanda Gorman)
米国詩人協会によるwebサイト「poets.org」に掲載されている情報によれば、大統領の就任式に初めて詩人が招かれたのは1961年、ジョン・F・ケネディ大統領の就任式。ロバート・フロストが式のために作った詩を朗読した。最近ではビル・クリントン元大統領が1回目の就任式にマヤ・アンジェロウを、2回目にはミラー・ウィリアムスを招いている。バラク・オバマ元大統領の就任式ではエリザベス・アレクサンダー、2度目はリチャード・ブロンコが詩を読んでいる。ドナルド・トランプ前大統領の就任式では詩人は招かれなかった。
今回はその伝統が復活、詩人のアマンダ・ゴーマンが登場した。彼女は現在22歳。就任式に招かれた詩人としては最年少である。アマンダはハーバード在学中の17歳のときに初の詩集を出版、2017年に創設された全米青年桂冠詩人の第1回目を授賞し有名になった。幼少時には言語障害や聴覚障害に苦しみ、それを克服して詩作の道に進んだという過去を持つ。その過去を知って共感したジル・バイデン大統領夫人が彼女を推薦したと報じられている。
これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Inaugural poet Amanda Gorman delivers a poem at Joe Biden's inauguration
Watch oncourtesy of CNBC via Youtube
就任式でアマンダが読んだ詩は「The Hill We Climb」。「少なくとも世界にこれが真実だと告げさせましょう。私たちは嘆きと共に成長します。傷つくと同時に希望を抱きます。疲れ果てたとしても挑戦し、永遠に団結し勝利するのです(Let the globe, if nothing else, say this is true: That even as we grieved, we grew: That even as we hurt, we hoped, that even as we tired, we tried, that we'll forever be tied together, victorious」。「そこにはいつも光があるのです。私たちにそれを見る勇気があれば。私たちが光になる勇気があれば。(For there is always light. If only we’re brave enough to see it. If only we’re brave enough to be it.)」。
アメリカの出版界で詩集が大ヒットすることは珍しいけれど、これまで大統領就任式に招かれた詩人たちの作品はベストセラーになってきた。アマンダ・ゴーマンもこれからさらに注目を集めそう。
[ 出典元 poets.orgを加筆しました 2021.01.22 12:00]