wise

古こ英語えいごの wis は、「学まなんだ、賢明けんめいな、ずる賢かしこい；正気しょうきの；慎重しんちょうな、思慮しりょ深ふかい；経験けいけん豊ゆたかな；正ただしく識別しきべつし判断はんだんする力ちからを持もつ」という意味いみです。これはプロト・ジャーマン語ごの *wissaz（古こザクセン語ご、古こフリジア語ごの wis、古こノルド語ごの viss、オランダ語ごの wijs、ドイツ語ごの weise「賢かしこい」にも通つうじる）からきており、言語げんご学がく的てきなPIEルート *weid-「見みる」（つまり「知しる」）の過去かこ分詞ぶんし形がた *wittos に由来ゆらいします。現代げんだいのスラングで「気きづいている、ずる賢かしこい」という意味いみは、1896年ねんに初はじめて証明しょうめいされました。古こ英語えいごの witan「知しる、機知きち」に関連かんれんする語かたりです。

A wise man has no extensive knowledge; He who has extensive knowledge is not a wise man. [Lao-tzu, "Tao te Ching," c. 550 B.C.E.]

賢かしこい人ひとは広ひろい知識ちしきを持もっていません；広ひろい知識ちしきを持もつ人ひとは賢かしこい人ひとではありません。 [老子ろうし『道徳どうとく経けい』紀元前きげんぜん約やく550年ねん]

Wise manは古こ英語えいごにありました。Wise guyは、1896年ねんからのアメリカ英えい語ごとして証明しょうめいされています。またwise-ass（名詞めいし）は1966年ねんにアメリカ英えい語ごとして、おそらくデッカーとウェブスターによる1607年ねんの喜劇きげき『ウエストワード・ホー』において文字通もじどおりの意味いみが意図いとされていました（可能かのう性せいがあります）。Wisenheimerは、モックのドイツ語どいつごまたはイディッシュ語ごの姓せいの接尾せつび辞じを使つかって、1904年ねんに初はじめて記録きろくされました。

「進すすめ方かた、やり方かた」という意味いみで、古こ英語えいごのwiseは「方法ほうほう、流儀りゅうぎ、習慣しゅうかん、態度たいど; 状態じょうたい、事情じじょう」という意味いみです。これは原始げんしゲルマン語ごの*wison「外見がいけん、形かたち、方法ほうほう」から来きています（wise （形容詞けいようし）を参照さんしょう）。古こサクソン語ごのwisa、古こフリジア語ごのwis、デンマーク語ごのvis、中ちゅうオランダ語ごのwise、オランダ語ごのwijs、古高ふるたかドイツ語ごのwisa、ドイツ語ごのWeise「方法ほうほう、流儀りゅうぎ」と比較ひかくしてください。現代げんだい英語えいごでは、likewise（同様どうように）、clockwise（時計とけい回まわり）といった形かたちで単語たんごを形成けいせいする要素ようそとして最もっとも一般いっぱん的てきです。古こ英語えいごから使つかわれている副詞ふくしの-wiseも同様どうようです。古代こだいギリシャ語ごのeidos「形かたち、姿すがた、種類しゅるい」でも「行動こうどうの進すすめ方かた」と同おなじ進化しんかを見みています。「方法ほうほうを見みる/知しること」というのが基本きほん的てきな意味いみです。

古こ英語えいごのwisean「賢かしこくする、知識ちしきを与あたえる」（他動詞たどうし）は、古こフリジア語ごのwisa、古こザクセン語ごのwisian、中世ちゅうせいオランダ語ごのwisen、現代げんだいオランダ語ごのwijzen、古高ふるたかドイツ語ごのwisan、ドイツ語ごのweisenと兄弟きょうだい関係かんけいにあります。これらはすべて形容詞けいようしのwiseの語源ごげんからきています。自動詞じどうしでの「賢かしこくなる」の意味いみでのwise upは、1905年ねんに記録きろくされています。