渡辺わたなべ正行まさゆき64歳さい、剣道けんどう修業しゅうぎょうに絶賛ぜっさん邁進まいしん中ちゅう！40歳さい年下とししたの若手わかてとも本気ほんき地ち稽古けいこ＜動画どうがつき＞

長ながきに渡わたって芸能げいのう界かいの最前線さいぜんせんで活躍かつやくしているタレントの渡辺わたなべ正行まさゆきさん。高校こうこう卒業そつぎょうとともに別わかれを告つげた剣道けんどうを55歳さいで再開さいかいし、現在げんざい、剣道けんどう修業しゅうぎょうに絶賛ぜっさん邁進まいしん中ちゅう！剣道けんどう普及ふきゅうのためのYouTube番組ばんぐみも立たち上あげ、さらに活動かつどうの幅はばを広ひろげる渡辺わたなべさんの、剣道けんどうに対たいする熱あつい想おもいを「月刊げっかん剣道けんどう時代じだい2020年ねん12月がつ号ごう」に掲載けいさいされたインタビューから探さぐってみる。

55歳さいで剣道けんどうに再さい挑戦ちょうせん「剣道けんどうっておもしろい！」

―高校生こうこうせいまで続つづけていた剣道けんどうを55歳さいで再開さいかいされたわけですが、そのきっかけから教おしえていただけますか？
渡辺わたなべ　剣道けんどう自体じたいは何なん年ねんかに一いち度どくらいのペースで、番組ばんぐみの企画きかくでやる機会きかいがあったんです。でもそのときだけ。本格ほんかく的てきに再開さいかいするきっかけとなったのは『炎ほのおの体育たいいく会かいＴＶてれび』という番組ばんぐみでした。実業じつぎょう団だん女子じょし日本一にっぽんいちの選手せんしゅと戦たたかうことになり、これはしっかりと稽古けいこしていかなければならないなと。いろんな稽古けいこ場じょうで高段こうだん位いの先生せんせい方かたのお話はなしを聞きいたり、実際じっさいに竹刀しないを交かわさせていただくなかで、高校生こうこうせい当時とうじには感かんじることのできなかった剣道けんどうのおもしろさに気きづくことができました。70歳さいや80歳さいでガンガン稽古けいこをしている先輩せんぱい方かたの姿すがたを見みて、自分じぶんもそう遠とおくない未来みらいにその年齢ねんれいになる、こうやって続つづけていくことができたらと思おもい、継続けいぞく的てきに剣道けんどう取とり組くんでいくことを決きめました。

月刊げっかん剣道けんどう時代じだい2020年ねん2月がつ号ごうにはロングインタビューが掲載けいさい

―どんなところに剣道けんどうのおもしろさを感かんじましたか？
渡辺わたなべ　大会たいかいに出でて勝かつこともそうですが、稽古けいこを重かさねるなかで自分じぶんが変かわっていくのが分わかったので、そこがおもしろかったですね。カラダを動うごかすだけならスポーツジムに行いけばいい。剣道けんどうは対人たいじん競技きょうぎなので、稽古けいこをするなかで日々ひび発見はっけんがありますし、打うたれたら次つぎは打うたれないためにどうすればいいかとか、模索もさくして稽古けいこに取とり組くむのがとても新鮮しんせんでした。稽古けいこ仲間なかまが「良よくなったね」と褒ほめてくれるのもうれしいし、そうやってどんどん剣道けんどうにハマっていきました。
―学生がくせい時代じだいに必死ひっしになって稽古けいこをしていたときとはまったく違ちがう感覚かんかくでしょうか？
渡辺わたなべ　学生がくせい時代じだいは学生がくせい時代じだいで楽たのしかったと思おもうんです。でも、どうしてもやらされているという感覚かんかくがあって。再開さいかいしてからは稽古けいこ方法ほうほうや稽古けいこ量りょうなどを自分じぶんで考かんがえて取とり組くんでいるので、そのなかで成長せいちょうできているのが楽たのしいんでしょうね。自分じぶんをレベルアップさせるためにあれこれしようなんて、学生がくせい時代じだいには考かんがえたこともありませんでした。試合しあいや審査しんさといった目標もくひょうにむけて自分じぶんを高たかめていく作業さぎょうが、今いまはとてもおもしろいんです。
―再開さいかいを決きめてから、まず目標もくひょうに掲かかげたことは何なにでしたか？
渡辺わたなべ　当時とうじは三さん段だんだったので、まず四よん段だんに合格ごうかくすることを目標もくひょうにしました。56歳さいのときに番組ばんぐみの企画きかくで四よん段だんを取得しゅとくすることになって、番組ばんぐみ側がわから言いわれたのは「審査しんさに落おちたら放送ほうそうしません」と（笑）。こちらとしては稽古けいこや審査しんさを全部ぜんぶ追おってもらってドキュメンタリーみたいにして欲ほしかったんですけど……。こうなったらテレビで使つかわれる使つかわれない関係かんけいなく、絶対ぜったいに合格ごうかくしてやろうと思おもいました。稽古けいこのスケジュールも全部ぜんぶ自分じぶんで組くんで、いろんな先生せんせいのところにうかがって指導しどうをいただいて。その甲斐かいもあったのか、なんとか四よん段だんに合格ごうかくすることができました。
―これまでは試合しあいを目標もくひょうとすることが多おおかったと思おもいますが、段位だんい審査しんさを目標もくひょうとしたときに意識いしきしたことはありますか？
渡辺わたなべ　段位だんい審査しんさが高校生こうこうせいぶりだったので、どんなものだったかちゃんと覚おぼえてなくて。試合しあいみたいな感かんじではなくて、キチッとしなくちゃいけないというのは分わかっていたんですけど。だから四よん段だん審査しんさの緊張きんちょう感かんは半端はんぱじゃなかったですね。稽古けいこでも正ただしい剣道けんどうを身みにつけることをつねに意識いしきしていました。それまでは一本いっぽんをとればいいくらいに考かんがえていたんですけど、まずは自分じぶんに染しみついてしまっている悪わるいクセを直なおすことを考かんがえようと。クセって自分じぶんではちゃんとできていると思おもっていても、できていないことが多おおいんです。私わたしはゴルフもするのですが、ゴルフでは自分じぶんのスイングを映像えいぞうで確認かくにんするようにしています。同おなじように自分じぶんの剣道けんどうを撮とって見みてみたら、こんなにできてないものかと愕然がくぜんとしました。今いまはそういった手法しゅほうも取とり入いれながら、日々ひび成長せいちょうできるように稽古けいこに臨のぞんでいます。
―昔むかしから剣道けんどうとゴルフは技術ぎじゅつ的てきに近ちかいところがあると言いわれていますが、それは感かんじますか？
渡辺わたなべ　どうなんですかね。剣道けんどうを頑張がんばっているとゴルフに弊害へいがいが出でてきて、手首てくびで打うとうとしてしまうんですよね。もしかしたら剣道けんどうもそれじゃいけないのかもしれませんが、どうしてもそうなっちゃう。似にているところと言いわれれば、どちらも年齢ねんれいを重かさねてもできるという部分ぶぶんでしょうか。ゴルフをするときはできるだけカートに乗のらないようにして、体力たいりょく維持いじに努つとめるようにしています。先日せんじつ、同級生どうきゅうせいとゴルフをしたのですが、彼かれは一般人いっぱんじんなんだけどとってもうまい。どれくらい練習れんしゅうしているのか聞きいてみると、一時期いちじきは１日にち３００球きゅう打うつときもあったと言いわれて、やっぱりなと思おもいました。うまい人ひとはみんなそれなりの練習れんしゅうしている。剣道けんどうも一緒いっしょで、高こう段位だんいを目指めざすためには稽古けいこを重かさねるしかないんだなと思おもい知しらされました。あと５年ねん早はやく剣道けんどうに目覚めざめていればと思おもうこともありますが、時間じかんは取とり戻もどせません。自分じぶんの年齢ねんれいと環境かんきょうのなかでできる限かぎりのことをやっていこうと考かんがえています。
―試合しあいへの挑戦ちょうせんというところでは、これまでに２回かい、ねんりんピックにも出場しゅつじょうされていますね。
渡辺わたなべ　はい。当時とうじの先生せんせいから「60歳さいを超こえたらこんな大会たいかいもあるんだよ」と、ねんりんピックの存在そんざいを教おしえていただきました。それまで所属しょぞくの荒川あらかわ区くの区民くみん大会たいかいには出場しゅつじょうしたことがあったのですが、予選よせんのある全国ぜんこく大会たいかいに挑戦ちょうせんしたことはありませんでした。予選よせん会かいに出場しゅつじょうしてみると、思おもいも掛かけず２位いになって出場しゅつじょう権けんを獲得かくとくできて。このときは本当ほんとうにうれしかったですね。全国ぜんこく大会たいかいは２回かいとも予選よせんリーグで負まけてしまいましたが、次つぎの大会たいかいも頑張がんばろうと、稽古けいこにむかう原動力げんどうりょくになっています。本当ほんとうは今年ことしも出でる予定よていだったのですが、コロナの影響えいきょうで大会たいかいが中止ちゅうしになってしまってとても残念ざんねんです。
―試合しあいにも審査しんさにも全力ぜんりょく投球とうきゅうで、剣道けんどうを心しんから楽たのしんでいるように感かんじます。
渡辺わたなべ　そうなんです、楽たのしいんです。55歳さいで再開さいかいしてから10年ねん経たちますが、続つづけられているのはおもしろいから。最初さいしょは運動うんどう不足ふそくの解消かいしょうとか自分じぶんの健康けんこうのためにやっていた部分ぶぶんも大おおきかったですが、今いまは剣道けんどうのおもしろさをもっといろんな人ひとに感かんじてもらうために何なにができるのかを考かんがえるようになりました。その思おもいが今回こんかいのYouTube 番組ばんぐみにもつながってくるんですけど。私わたしが剣道けんどう界かいのことを語かたるのはおこがましいですが、私わたしのようなリバ剣けんを呼よび起おこしたり、競技きょうぎ人口じんこう減少げんしょうに少すこしでも歯止はどめをかける協力きょうりょくができればと思おもっています。

Masayuki Watanabe わたなべ・まさゆき
昭和しょうわ31年ねん生うまれ、千葉ちば県けん出身しゅっしん。夷隅いすみ町立ちょうりつ
国吉くによし中学校ちゅうがっこうで竹刀しないを握にぎり、進学しんがくした大多喜おおたき高校こうこうでも剣道けんどうを続つづける。明治大学めいじだいがく在学ざいがく中ちゅう、劇団げきだんテアトル・エコーに入所にゅうしょし、ラサらさール石井るいしいと小宮こみや孝泰たかやすとともにコントグループ「コント赤信号あかしんごう」を結成けっせい。昭和しょうわ55年ねんに「花王かおう名人めいじん劇場げきじょう」でデビューし、「オレたちひょうきん族ぞく」をはじめとした数々かずかずのテレビ番組ばんぐみに出演しゅつえんして人気にんきを博はくす。バラエティ番組ばんぐみの司会しかいとしても才能さいのうを発揮はっきし、芸能げいのう界かいでの地位ちいを不動ふどうのものとした。55歳さいのときに「炎ほのおの体育たいいく会かいＴＶてれび」出演しゅつえんをきっかけとして剣道けんどうを再開さいかい。平成へいせい28年ねんに五ご段だんに昇段しょうだんし、現在げんざいは六ろく段だんを目指めざして稽古けいこに励はげんでいる。

▼Youtubeチャンネル「剣道けんどうまっしぐら！」では剣道けんどう5段だんの腕前うでまえを披露ひろう

文ぶん_寺岡てらおか智之としゆき　撮影さつえい_笹井ささいタカマサ　取材しゅざい協力きょうりょく_月刊げっかん剣道けんどう時代じだい