「どうせ無理むり」と思おもっている君きみへ

小ちいさな町まち工場こうじょうがロケットを作つくれた理由りゆう

「足たりない」が自信じしんに変かわる

ArLawKa AungTun/gettyimages

著者ちょしゃは北海道ほっかいどうでロケットを作つくっている。社員しゃいん数すう20人にんの小ちいさな町まち工場こうじょうだが、ロケットを丸まるごと作つくって打うち上あげることができる、世界せかいでも珍めずらしい会社かいしゃだ。ドイツの研究所けんきゅうじょ、アメリカのNASA、そして著者ちょしゃの工場こうじょうにしかない、宇宙うちゅうと同おなじ無重力むじゅうりょく状態じょうたいを地上ちじょうで作つくり出だせる実験じっけん施設しせつも有ゆうしている。

小ちいさい頃ころから飛行機ひこうきやロケットが大好だいすきだったが、最初さいしょから自信じしんがあったわけではない。むしろ「ロケットなんて作つくれない」「危あぶないから作つくっちゃいけない」と思おもっていたほどだ。

ところが、安全あんぜんなロケットを研究けんきゅうしようとしていた北海道大学ほっかいどうだいがくの永田ながた晴はれ紀おさむ(ながたはるのり)先生せんせいとの出会であいによって人生じんせいが変かわった。

著者ちょしゃにはお金かねも専門せんもん知識ちしきもないけれど、ロケットが好すきで、もの作づくりの技術ぎじゅつと工場こうじょうがあった。一方いっぽうの永田ながた先生せんせいは、お金かねと技術ぎじゅつと工場こうじょうはないけれど、ロケットが好すきで、最先端さいせんたんの専門せんもん知識ちしきを持もっていた。ふたりは「好すき」という共通きょうつう点てんでつながり、「足たりない」という弱よわみを補おぎない合あってロケットづくりを始はじめた。

それまで「足たりない」のは恥はずかしい弱点じゃくてんだから、人ひとには見みせずに、1人ひとりで頑張がんばらなければいけないと思おもっていた。

でもそれは間違まちがいだった。ふたりは助たすけ合あい、本当ほんとうにロケットづくりを成功せいこうさせたのだ。完成かんせいまでの道みちのりは波乱はらんに満みちていたが、あきらめずに試行錯誤しこうさくごを繰くり返かえして、少すこしずつ自信じしんをつけていった。

足たりないことを馬鹿ばかにしたり、恥はずかしがったりする必要ひつようはない。足たりない自分じぶんを責せめずに、恥はずかしさをさらけ出だして人ひとに頼たよれば、何なにかが変かわる。

自分じぶんだけの自信じしんのつくり方かた

「どうせ無理むり」という呪文じゅもんに負まけるな

君きみの自信じしんを殺ころすのは、夢ゆめに向むかって努力どりょくしている人ひとを笑わらう「どうせ無理むり」という呪文じゅもんだ。