スタンフォード式しき 脳のうと体からだの強化きょうか書しょ

スタンフォード式しきに脳のうと体からだをコントロールする

スタンフォード大学だいがくはなぜすごいのか

BalanceFormcreative/gettyimages

どうして人ひとは疲つかれるのだろうか。いや、そもそも疲労ひろうとは、ストレスとはなんなのだろうか。我々われわれの「意欲いよく」とはどのようにして生うみ出だされるのか。失敗しっぱいを恐おそれずに歩あゆみ続つづけるにはどうすればいいか……。これらはすべて科学かがく的てきに説明せつめいすることができる。本書ほんしょの目的もくてきは、「前進ぜんしんできる心身しんしんに関かかわるモチベーションの科学かがく」をわかりやすくし、読者どくしゃが「ベストな自分じぶん」を目め指させるよう手助てだすけすることにある。

米べいスタンフォード大学だいがくは言いわずと知しれた名門めいもんであり、スポーツにおいても輝かがやかしい成績せいせきを残のこしてきた。2020年ねんオリンピックには53人にんの選手せんしゅを送おくり出だし、著者ちょしゃが健康けんこう管理かんりを担当たんとうしている競泳きょうえいでは9人にんが参加さんかし金きんメダルを2つ、銀ぎんメダルを7つ、3つの銅どうメダルを獲得かくとくしている。なぜスタンフォード大学だいがくの選手せんしゅはこれほどまでに成果せいかを上あげているのだろうか。その理由りゆうは主おもに2つある。

1つは選手せんしゅ本人ほんにんによるモチベーションの高たかさと、それを継続けいぞくさせていくアイデアの豊富ほうふさだ。アスリート達たちは学業がくぎょうとスポーツを両立りょうりつしつつ、挑戦ちょうせんを始はじめたら全力ぜんりょくを賭としてトップを目指めざす。その努力どりょくと姿勢しせいには驚おどろくべきものがある。

2つ目めはサポートチームの存在そんざいだ。スタンフォード大学だいがくには優秀ゆうしゅうな専門せんもん家かとリサーチャーが多数たすう所属しょぞくしている。専門せんもん家かといっても得意とくいとする分野ぶんやは様々さまざまで「骨ほね筋肉きんにく」「整形せいけい外科医げかい」「睡眠すいみん」「栄養えいよう」「内分泌ないぶんぴつ」「脳のう科学かがく」「解剖かいぼう学がく」など豊富ほうふな知識ちしきを持もつスペシャリストが所属しょぞくする。そして、研究けんきゅうデータの蓄積ちくせきや分析ぶんせきを行おこなうのがリサーチャーだ。

こうした専門せんもん家かやリサーチャーとアスレチックトレーナーが密みつに連携れんけいし、選手せんしゅをサポートしている。彼かれらは名声めいせいや手柄てがらではなく、最新さいしんの科学かがく的てき知見ちけんに基もとづき「選手せんしゅにとって何なにがベストか」を常つねに追求ついきゅうしている。スタッフのこうしたプロフェッショナリズムがスタンフォード大学だいがくにおける強つよさの秘訣ひけつである。

このようなスタンフォすたんふぉード大どだい学がくで実証じっしょうされ、現場げんばでも実践じっせんされている事ことを基もとに、人ひとの好こう不調ふちょうの波なみを見みつめなおし、そして人生じんせいをより充実じゅうじつさせるための手助てだすけとするのが『スタンフォード式しき脳のうと体からだの強化きょうか書しょ』である。

脳のうに備そなわった2つの報酬ほうしゅうシステム

我々われわれの活動かつどうには必かならず脳のうが関かかわっている。モチベーション高たかく物事ものごとに取とり組くむことも、心身しんしんを休やすめる休息きゅうそくも、コントロールしているのは脳のうだ。