潜在せんざい能力のうりょくを発揮はっきするために本書ほんしょは学術がくじゅつ研究けんきゅう論文ろんぶんではなく、実践じっせんマニュアルである。著述ちょじゅつはすべて科学かがく的てきに裏付うらづけられ、過去かこの最高さいこうのアイデアと科学かがく者しゃたちによる説得せっとく力りょくのある発見はっけんを統合とうごうしたものだ。参考さんこうにしている分野ぶんやは、生物せいぶつ学がく、神経しんけい科学かがく、哲学てつがく、心理しんり学がくなどだ。特とくに重要じゅうようなアイデアを見みいだし、すぐ実行じっこうできる形かたちで結むすびつけることで役やくに立たつ構成こうせいになっている。その根幹こんかんをなすものは、習慣しゅうかんの4つのステップ――きっかけ、欲求よっきゅう、反応はんのう、報酬ほうしゅう――と、このステップから生うまれる4つの行動こうどう変化へんかの法則ほうそくである。わたしが提案ていあんする枠組わくぐみは、認知にんち科学かがくと行動こうどう科学かがくの統合とうごうモデルである。人間にんげんの行動こうどうは常つねに変化へんかしている。状況じょうきょうによって、時ときによって、刻々こくこくと変かわっていく。しかし、本書ほんしょでは変かわらないものについて述のべている。人間にんげん行動こうどうの基本きほんについてだ。何なん年ねんにもわたって信頼しんらいできる永続えいぞく的てきな原則げんそく。それを基もとにしてビジネスを始はじめ、家庭かていを築きずき、人生じんせいを切きり開ひらけるような考かんがえ方かたである。習慣しゅうかんは自己じこ改善かいぜんを複利ふくりで積つみ上あげたものである。毎日まいにち1パーセントの改善かいぜんが長期ちょうき的てきには大おおきな改善かいぜんになる。自己じこ改善かいぜんが複利ふくりの利子りしを生うんでいくようなものである。投資とうしした資金しきんが複利ふくりで増ふえるように、習慣しゅうかんの効果こうかも繰くりかえすことで大おおきくなっていく。1日にちではほとんど違ちがいがないように見みえても、数カ月すうかげつや数すう年ねんをかけてもたらされる影響えいきょうは計はかりしれない。2年ねん、5年ねん、あるいは10年ねん後ごに振ふり返かえってはじめて、良よい習慣しゅうかんによる利益りえきと悪わるい習慣しゅうかんによる損失そんしつがはっきりと目めに見みえてくる。良よい習慣しゅうかんを身みにつけるのに唯一ゆいいつの正ただしい方法ほうほうなどないが、ここでは著者ちょしゃの知しっている最善さいぜんの方法ほうほうを紹介しょうかいする。つまり、どこから始はじめても、また、変かえたいものがなんであろうと効果こうかのある方法ほうほうである。ここで取とりあげる戦略せんりゃくは、目標もくひょうが健康けんこう、お金かね、生産せいさん性せい、人間にんげん関係かんけい、もしくはその全部ぜんぶでも、段階だんかい的てきな方法ほうほうを求もとめている人ひとなら、誰だれにでも合あうはずだ。人間にんげんの行動こうどうに関かんするかぎり、本書ほんしょはあなたのよきガイドとなるだろう。