ブッダは本当ほんとうに差別さべつを否定ひていし万まん人にんの平等びょうどうを唱となえた平和へいわ主義しゅぎ者しゃだったのか?近代きんだいの仏教ぶっきょう研究けんきゅうは仏典ぶってんから神話しんわ的てき装飾そうしょくを取とり除のぞくことで、ブッダを平和へいわ主義しゅぎ者しゃで、階級かいきゅう差別さべつや男女だんじょ差別さべつを批判ひはんし、業ごうや輪廻りんねを否定ひていした先駆せんく的てき人物じんぶつとして描えがき出だしてきた。だがそれは近代きんだい的てき価値かち観かんを当あてはめ、本来ほんらいの内容ないようを曲解きょっかいしたものにすぎない。では、ブッダの真しんの偉大いだいさは一体いったいどこにあるのか。これまでのブッダ理解りかいを批判ひはん的てきに検証けんしょうし、初期しょき仏典ぶってんを丹念たんねんに読よみとくことでその先駆せんく性せいを導みちびき出だす革新かくしん的てきブッダ論ろん。