『Follow me』を流ながしていたら家族かぞくに怖こわい、と言いわれたことを思おもい出だします。聞ききなれない片仮名かたかなの羅列られつ、捲まくし立たてる早口はやくち、重かさならないコーラス、そのどれもが違和感いわかんで、さらに鬼気きき迫せまるものを感かんじさせるパフォーマンスには確たしかに怖こわいくらいの迫力はくりょくを感かんじます。 そのうえライブハウスでこんな曲きょくに熱狂ねっきょうしていた客きゃくがいたことを想像そうぞうすると恐おそろしさと羨うらやましさで胸むねがいっぱいになります。彼かれらを生なまで目撃もくげきすることができなかった私わたしにとっては、一生いっしょう届とどけかない憧あこがれの異国いこくの地ちみたいに眩まぶしい一いち枚まいです。

彼かれらの解散かいさん後ごに彼かれらを知しったので、いくら映像えいぞうを見みても歌うたを聞きいても、「本当ほんとうにこんなバンドが日本にっぽんにいたのだろうか」と時々ときどき信しんじられなくなってしまいます。まるで映画えいがの中なかのバンドワゴンのように強つよく輝かがやいて見みえるからそんな風ふうに思おもってしまうのでしょうか。 そんな私わたしにとって彼かれらが選えらんだベステイクが、その生なまの軌跡きせきがライブアルバムとして残のこされていることが本当ほんとうに嬉うれしかったです。私わたしと同おなじように今後こんご彼かれらに出会であった人ひともぜひ手てに取とって欲ほしいと思おもうアルバムです。

哀かなしい曲きょくが多おおいと言いってしまえばそうなのかもしれません。解散かいさんのことをどうしても意識いしきしてしまうアルバムだからそのように思おもうのかもしれません。それでも何なにか全体ぜんたいを通とおして悲かなしいだけではない、諦あきらめだけではない、自分じぶんたちへの執着しゅうちゃくや愛あいも強つよく感かんじるような気きがするのはファン心理しんりでしょうか。 前向まえむきに生いきるのはしんどい。後うしろを向むくのもしんどい。そんな時ときに何なにか目めの前まえに転ころがっていて欲ほしいのはいつもこんな曲きょくだと思おもいます。