犬いぬは人間にんげんのストレスを嗅かぎわけられる。新しん研究けんきゅうで明あきらかに

犬いぬは鋭するどい嗅覚きゅうかくを持もっていますが、その能力のうりょくは人間にんげんのストレスの嗅かぎ分わけにまで及およぶようです。オンライン科学かがく雑誌ざっし「プロスワン」に掲載けいさいされた新しん研究けんきゅうで明あきらかになりました。

ストレスを感かんじた時とき、私わたしたち人間にんげんの汗あせや息いきの中なかに含ふくまれる物質ぶっしつは、変化へんかすることがわかっています。

こういった変化へんかを、犬いぬは嗅かぎ分わけられるのか。調査ちょうさを実施じっししたのは、イギリスのクイーンズ大学だいがくベルファスト校こうとニューカッスル大学だいがくの研究けんきゅう者しゃたちです。

実験じっけんには4匹ひきの犬いぬが参加さんか（元々もともと20匹ひきの犬いぬが選えらばれたものの、集中しゅうちゅう力りょくなどの面めんから16匹ひきが脱落だつらく）し、ストレスを感かんじている人間にんげんのにおいを選えらぶよう訓練くんれんされました。

一方いっぽう、36人にんの人間にんげんの参加さんか者しゃたちは「声こえを出だしながら、暗算あんざんで9000から17ずつ逆ぎゃくに数かぞえる」というストレスのかかるタスクを与あたえられ、その前後ぜんごで息いきと汗あせのサンプルを採取さいしゅされました。

そのサンプルを犬いぬたちに嗅かがせたところ、ストレスを感かんじている人間にんげんの息いきや汗あせを、平均へいきん93.75%の正確せいかくさで嗅かぎ分わけられました。

実験じっけんに携たずさわったクララ・ウィルソン氏しのツイート：ストレスにはにおいがあります。そして犬いぬたちはそれを嗅かぎ分わけられます――研究けんきゅう結果けっかが発表はっぴょうされました！それぞれの実験じっけんで、犬いぬたちは人間にんげんのリラックスした時ときとストレスを感かんじた時ときのサンプルを与あたえられました。サンプルの採取さいしゅ間隔かんかくは4分ふんです。720回かいの実験じっけんで犬いぬたちがストレスを感かんじたサンプルを正確せいかくに伝つたえた割合わりあいは94%でした。

犬いぬは優すぐれた嗅覚きゅうかくを持もっており、その能力のうりょくはコロナ探知たんちでも使つかわれてきました。さらに、がんを嗅かぎ分わけるための研究けんきゅうや実験じっけんも進すすめられています。

今回こんかいの実験じっけんは、こういった病気びょうきや健康けんこう状態じょうたいだけではなく、犬いぬが人間にんげんの精神せいしん的てきな状態じょうたいに関連かんれんしたにおいも嗅かぎわけられる可能かのう性せいがあることを示しめしています。

その一方いっぽうで、犬いぬたちがにおいから人間にんげんのネガティブな感情かんじょうを読よみ取とっているかどうかまでは明あきらかになりませんでした。

研究けんきゅうに携たずさわった、クイーンズ大学だいがくベルファスト校こう博士はかせ課程かていのクララ・ウィルソン氏しは、「ストレスに関係かんけいしたにおいの嗅かぎわけ能力のうりょくを解明かいめいすることで、人間にんげんと犬いぬの関係かんけいについてさらに深ふかい知識ちしきを得えられます。また、精神せいしん的てきなストレスにおけるにおいの要素ようそを知しることで、今後こんごにおいをベースにしたPTSDやメンタル面めんでの介助かいじょ犬けんについて、さらに深ふかい議論ぎろんを発展はってんさせられる可能かのう性せいがあります」とツイートしています。

ひとりひとりが、サステナブルな地球ちきゅう環境かんきょうの中なかで、自分じぶんらしく生いきていくためにーー。

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